オオモズ

オオモズ（大百舌）

オオモズ（学名: Lanius borealis)は、スズメ目モズ科モズ属に分類される鳥の一種です。「大きなモズ」を意味する和名が特徴的です。

分布

オオモズはユーラシア大陸北部やインド中部、アフリカ中部に分布し繁殖します。冬期はやや南方に渡り越冬します。日本には冬鳥または旅鳥として渡来しますが、その数は多くありません。北海道や東北地方では比較的多く見られ、北海道では繁殖の記録も確認されています。

形態

全長は約24cm、体重は65-75g程度です。雌雄同色で、頭から背中にかけては灰色、腰は白く、尾は黒色をしています。翼は黒く、初列風切には白い斑点があります。白い眉斑が特徴的で、目を通る黒い線があります。幼鳥は全体的に灰褐色をしています。

分類

以前はGreat Grey Shrike (Lanius excubitor)の亜種とされていましたが、近年の遺伝子研究により独立した種として扱われるようになりました。英語名はNorthern Shrikeです。

亜種

オオモズには以下の亜種が存在します。

Lanius borealis sibiricus Bogdanov, 1881
Lanius borealis bianchii Hartert, EJO, 1907 オオモズ
Lanius borealis mollis Eversmann, 1854 シベリアオオモズ
Lanias borealis funereus Menzbier, 1894
Lanias borealis borealis Vieillot, 1808

生態

オオモズは農耕地や草原に生息し、繁殖期以外は単独で生活することが多いです。電線や枯れ枝、杭などにとまり、または低空飛行をしながら獲物を探します。

食性

動物食で、主にネズミなどの小型哺乳類を捕食します。その他、昆虫類や小型の鳥類も食べます。獲物を木の枝などに突き刺す「はやにえ」を行うことでも知られています。

繁殖

樹上に枯れ枝、樹皮、植物の根などを使って皿状の巣を作ります。4月から6月にかけて一腹5-7個の卵を産み、抱卵期間は約15日間です。抱卵は主に雌が行います。雛は約19-20日で巣立ち、その後約14日で親から独立します。

参考文献

黒田長久監修 C.M.ペリンズ、A.L.A.ミドルトン編 『動物大百科9 鳥III』、平凡社、1986年、154頁。
小川巖「北海道におけるモズ類(Laniidae)の分布について」 『山階鳥類研究所研究報告』 1977年 9巻 1号 p.44-55, doi:10.3312/jyio1952.9.44, 山階鳥類研究所

関連項目

日本の野鳥一覧

外部リンク

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