黒田長久

黒田長久の生涯

黒田長久（くろだ ながひさ）、1916年11月23日生まれで、2009年2月26日に亡くなった日本の著名な鳥類学者、軍人、外務官僚である。彼は鳥類学者の家系に生まれ、父は侯爵であり、鳥類学者として名高い黒田長礼である。また、母は閑院宮載仁親王の二女、茂子女王であった。彼は黒田家19代当主であり、明仁上皇と親戚関係にある。鳥類学者の山階芳麿とは義理の従兄弟である。

教育と初期のキャリア

幼少期から父の影響を受けて鳥類に対する興味を深めた長久は、学習院高等科を卒業後、1937年に東京帝国大学の理学部動物学科に入学した。ここで鎌田武雄教授の指導を受け、卒業後は外務省に入職。しかし、半年後に徴兵され、近衛師団で5年間を過ごし、陸軍中尉としての経験を積むことになった。軍隊では、伝書鳩の扱いを担当する鳩班長の役割も果たした。

鳥類学者としての活動

長久は第二次世界大戦後、1946年にGHQ水産局野生生物課長として日本を訪れたオリバー・ルーサー・オースティン・ジュニアと出会い、1947年から2年半にわたり、彼の技術顧問や通訳、翻訳者として活躍した。その後1951年には米軍第406医学総合研究所の鳥学課に転り、ここで日本脳炎ウイルスの抗体調査を行った。1952年には山階鳥類研究所に入所し、後に所長に就任した。

1953年には、「主として骨骼と習性分化に基く管鼻目鳥類の分類と分化」の論文で北海道大学より理学博士の学位を授与された。1965年から1967年にかけては日本哺乳動物学会の理事も務めた。また、横浜国立大学や広島大学、名古屋大学、北海道大学などで非常勤講師としても教鞭を取った。

私生活と晩年

1974年からは家族に病気などの不幸が相次ぎ、5年間休職を余儀なくされた。その後1980年に山階鳥類研究所に復帰し、酵素を使った鳥の遺伝学的系統分類を行った。1995年には同研究所から山階芳麿賞を受賞。2002年には退職後、名誉所長に就任し、1990年から2004年まで日本野鳥の会の会長を務めた。

さらに、我孫子市鳥の博物館の館長や、旧福岡・秋月藩領内の子弟の奨学団体である黒田奨学会の総裁にも就任した。

2009年2月26日、急性腎不全により92歳で逝去。彼の墓所は青山霊園にある。長久には1女と次男の長高があり、後者は福岡藩黒田家の16代当主を継承している。

主要著書

彼の著書には、1959年にあかね書房から出版された『鳥の世界』や、1967年の『カラー歳時記鳥』、1972年の『動物地理学』、1982年の『鳥類生態学』などがある。また、彼は共著や翻訳にも関与し、多くの研究成果を著した。

このように、黒田長久は日本の鳥類学に多大な貢献を果たし、その業績は長く語り継がれることでしょう。

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