オカヒジキ属

オカヒジキ属（サルソラ属）について

オカヒジキ属、またはサルソラ属（学名：Salsola）は、ヒユ科に属する植物群であり、特に乾燥した地域や塩分を含む土壌に適応しています。これらの植物はしばしばロシアアザミと呼ばれ、広くアフリカとユーラシアに分布しています。特徴的な形状の株はボール状に成長し、秋に果実が成熟すると、風によって地面を転がる「タンブルウィード」として有名です。これは、自然の中での種子散布の方法の一つでもあります。

タンブルウィードの生態

タンブルウィードは、特に西部劇でよく見かける景観の一部として知られていますが、実際には北米にはもともと存在していなかった外来種です。19世紀後半から20世紀前半のアメリカ西部では、これらの植物が環境に適応し、広がりを見せました。 1877年、アメリカ合衆国ではハリヒジキ（S. tragus）がサウスダコタ州にて発見され、以降、外来雑草として米国農務省に記録されました。この種は、ロシアの農業者が持ち込んだ種子の中に偶然混ざっていたものと考えられています。

これらの植物は乾燥地帯に強い耐性があり、飼料としても利用される可能性があるため、一部の地域では栽培が試みられました。今日でもカンザス州などではオカヒジキの栽培が行われています。

食用と文化的な意義

オカヒジキ（S. komarovii）やその仲間のS. sodaは食用として知られており、特にS. sodaは中国では『史記』にもその名前が見られ、「転蓬」と呼ばれています。これにより、この植物の文化的な重要性がうかがえます。その他の種も、焼いてソーダ灰の原料として使用されることが一般的です。

現代の科学的理解

近年のDNA分析によってオカヒジキ属の内部関係が明らかになり、複数の属に分けられることが判明しました。この分割によって、元々のSalsola属は、新たにSalsola 属に残る種と、新しい属名を持つ種に分かれました。しかし、2017年の第19回国際植物学会議において、Salsolaのタイプ種をS. kaliに変更する決定が下され、これによりオカヒジキを含む種は再びSalsola属に戻りました。一方で、初めて命名されたS. sodaは、Soda属として新たに分類され、改名されました。

結論

オカヒジキ属は、ただの雑草として扱われがちですが、実はその生態や文化的背景、農業的価値から見て非常に重要な植物群です。環境への適応能力や食用としての価値、さらには科学的な再評価により、今後さらに注目されることが期待されています。

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