オカヨシガモ

オカヨシガモ（丘葦鴨）

オカヨシガモ（学名: Mareca strepera）は、カモ目カモ科ヨシガモ属に分類される鳥類です。

分布

オカヨシガモは以下の地域に分布しています。

M. s. strepera（オカヨシガモ）: 北アメリカ大陸北部、ヨーロッパ北部、シベリアなどで繁殖し、冬季になるとアフリカ大陸北部、ヨーロッパ南部、インド、中華人民共和国東部などへ南下し越冬します。日本では亜種オカヨシガモが冬季に越冬のため少数飛来し（冬鳥）、北海道ではごく少数が繁殖します。
絶滅した分布域: M. s. couesi（ファニングオカヨシガモ）は、かつてキリバス（ワシントン島）に生息していました。

形態

オカヨシガモの形態的な特徴は以下の通りです。

全長: 46-58cm
翼開長: 84-95cm
体重: 0.5-1.1kg
次列風切: 白い光沢（翼鏡）があります。
後肢: 橙色や橙黄色をしています。
卵: 長径5.5cm、短径3.9cmで、殻は淡黄褐色です。
繁殖期のオス: 頭部の羽衣は褐色や灰褐色で、黒い斑点が入ります。尾羽基部を被う羽毛（上尾筒、下尾筒）が黒く、尾羽は黒や灰褐色をしています。嘴は黒いです。
非繁殖期のオス（エクリプス）やメス: 全身の羽衣が褐色で、黒褐色の斑紋が入ります。メスは嘴が橙色で、嘴上部に黒い斑紋が入ります。

亜種オカヨシガモ（M. s. strepera）の翼長は、オスが26-28.2cm、メスが23.5-26cmです。

他のカモ類のオスは繁殖期に派手な色彩になることが多いですが、オカヨシガモのオスは繁殖期でも地味な色合いをしています。そのため、野鳥愛好家の間では「地道なカモ」として知られています。

分類

種小名streperaは「騒々しい」という意味を持ちます。

Mareca strepera strepera　オカヨシガモ　Common gadwall
Mareca strepera couesi　ファニングオカヨシガモ　Coues's gadwall（絶滅亜種）

生態

オカヨシガモは、湖沼、湿原、三角州などに生息します。

食性は主に植物食で、種子、茎、葉、根、水生植物などを食べます。その他、昆虫、魚類、両生類なども食べます。主に小規模な集団で水面に頭をつけて泳ぎながら採食を行います。

繁殖形態は卵生です。集団繁殖地（コロニー）は形成しませんが、巣から5メートル以内に別の個体が巣を作ったり、十数メートル間隔で数十個の巣が密集した例もあります。5-7月に水辺の茂みなどに枯れ草を組み合わせた巣をメスが作り、8-12個の卵を産みます。メスが抱卵し、抱卵期間は24-26日です。

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