オガワコマドリ

オガワコマドリ（小川駒鳥）

オガワコマドリ（学名: Luscinia svecica）は、スズメ目ヒタキ科に分類される小型の鳥です。この鳥の日本名は、その初めての標本が採集された小川三紀に由来しています。

分布

オガワコマドリは、ユーラシア大陸の中部から北部にかけて主に夏の渡り鳥として繁殖しますが、冬季にはアフリカの中部やアラビア半島、さらには東南アジアへと渡ります。日本では、以前は観察されることが少なく、迷鳥として捉えられていましたが、調査が進むことで多くの記録が残されるようになり、現在ではまれな旅鳥や冬鳥とされています。特に、北海道や日本海側の島々でよく見かけられます。

形態

オガワコマドリは全長約15センチメートルで、体の上面はオリーブ褐色で、腰の部分は橙色を帯びています。目の上には特徴的な白い眉斑があり、腹部はグレーです。雄の特徴としては喉が青色で、喉から腹部にかけては黒、白、茶褐色の横帯が見られます。一方、雌は喉がグレーで横帯がなく、腹には黒褐色の縦縞があります。

生態

オガワコマドリは主に河川敷や湖沼の周辺の草地や葦原で見られます。地面で採餌を行い、近くの岩や杭に止まって危険を警戒します。危険が迫ると、低く飛びながら草地に隠れる行動を取ります。繁殖シーズンの間は湿地の近くの低木林に生息し、つがいで縄張りを持つことが知られています。

彼らの食性は主に動物食であり、特に昆虫の幼虫を好んで捕食します。繁殖形態は卵生で、彼らは地面のくぼみに枯れ草などを用いて椀状の巣を作ります。一度に5から7個の卵を産むことが多く、抱卵期間は約13日です。雛は生まれてから13-15日後に巣立ちます。

鳴き声

オガワコマドリのさえずりは非常に豊かであり、「チュルチュル」や「チュリチュリ」といった音を組み合わせた複雑な鳴き声が特徴です。また、地鳴きとして「タッ」や「グッ」といった声も聞こえます。

このように、オガワコマドリはその美しい姿と独特な鳴き声から多くの愛鳥家に親しまれています。観察するチャンスが増えつつある今、これからも多くの人々がこの魅力的な鳥と出会うことができるでしょう。

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