オキサゾラム

オキサゾラム：長時間作用型抗不安薬の特性と注意点

オキサゾラムは、ベンゾジアゼピン系に属する長時間作用型の抗不安薬です。心身症や神経症に起因する不安、緊張、抑うつ状態、睡眠障害といった症状の改善、そして麻酔前投薬として用いられます。日本では「セレナール」などの商品名で知られています。

薬理作用

オキサゾラムは、脳内の神経伝達物質であるGABA(ガンマ-アミノ酪酸)の働きを促進することで効果を発揮します。具体的には、脳内のベンゾジアゼピン受容体に結合し、GABAの作用を増強することで神経の興奮を抑え、不安や緊張を軽減する働きがあります。この作用により、精神的な落ち着きをもたらし、睡眠の質を改善する効果が期待できます。

適応症

オキサゾラムは、主に以下の症状の治療に用いられます。

不安、緊張
抑うつ
睡眠障害
麻酔前投薬

これらの症状は、心身症や神経症といった精神的な疾患に関連して現れることが多く、オキサゾラムはこれらの症状を緩和する目的で処方されます。

用法・用量

オキサゾラムは、錠剤(5mg、10mg、20mg)と細粒(10%)の剤形で市販されています。具体的な用法・用量は、医師の指示に従うことが重要です。自己判断による服用は、深刻な副作用や依存のリスクを高めるため、絶対に避けなければなりません。

副作用

オキサゾラムの服用によって、倦怠感、頭痛、集中力低下、ふらつき、脱力感などの副作用が現れる可能性があります。これらの副作用は、通常は軽度で一時的なものですが、重篤な症状が現れた場合は直ちに医師に相談する必要があります。

依存性と離脱症状

オキサゾラムは、長期にわたって服用を続けると依存性を生じる可能性があります。また、急激に服用量を減らすと、離脱症状（不安、不眠、震え、発汗など）が現れる危険性があります。そのため、オキサゾラムの服用を中止する際には、医師の指導の下、徐々に減量していく必要があります。2017年3月には、日本の厚生労働省から、オキサゾラムの依存性と離脱症状に関する情報が関係機関に周知徹底されました。医薬品医療機器総合機構からも、漫然とした長期使用の回避、用量順守、類似薬の重複確認、慎重な減量といった適正使用のお願いが出されています。これらの通達には、日本の診療ガイドラインや学術雑誌の調査結果が反映されています。

向精神薬に関する条約

オキサゾラムは、向精神薬に関する条約のスケジュールIVに指定されており、麻薬及び向精神薬取締法の第三種向精神薬に分類されています。そのため、不正な使用や譲渡は厳しく規制されています。

まとめ

オキサゾラムは、効果的な抗不安薬ですが、依存性と離脱症状のリスクを伴います。医師の指示を厳守し、安全に使用することが不可欠です。漫然とした服用は避け、必要に応じて医師と相談しながら、適切な治療を進めていきましょう。

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