オサダ

株式会社オサダの歴史と展開

株式会社オサダは、1964年に長田龍夫によって設立され、家庭日用雑貨品の移動販売から始まりました。最初の『ディスカウントストア』業態の導入を決定する際、アメリカの成功事例に着目し、店舗開設の準備を進めることになります。しかし、経済的な課題や法律的な規制に悩まされ、初期の出店は規模が小さくなりました。

1972年の法人化から、オサダは様々な業態を手掛けていきます。1987年にウォルマートのスーパーセンターの視察を行い、その業態を根本的に取り入れた店舗を展開。1995年にハイパーマートオサダ小戸マリーナ店を開店し、さらなる成長を目指しました。この頃から、地方でも展開を進め、1994年には山口県にも進出。1995年には、国内信販と提携し、オサダKCマスターカードを発行するなど、金融面でも事業を広げていきます。

2000年には鹿児島県にも出店し、成功を収めていましたが、急激な店舗拡張が裏目に出て、次第に財務上の問題が浮上します。2001年には、負債348億4900万円を抱え、民事再生法の適用を申請する事態に陥ります。全従業員に周知後、厳しい状況の中で全正社員に給与を支払うとともに、代表取締役自らが資産を投じて再生に尽力しました。

一方で、福岡県内の多数の店舗は株式会社トライアルカンパニーに譲渡され、その後も営業され続けました。オサダの再生計画では、玉名店や人吉店など14店舗を閉鎖する内容が提案され、地域の小売環境にも大きな影響を与えました。その後、ザ・スーパーカンパニーが設立され、営業を引き継ぐ形となりますが、経営陣に小売業の専門知識が欠けていたことから、業績の回復は難航しました。

さらなる悪化が懸念され、2008年にはザ・スーパーカンパニーが事実上倒産に至ります。これにより、オサダブランドも再び危機に直面しました。その後も、再建を試みるも多くの店舗が閉店となり、2014年には残った伊万里店も閉店を余儀なくされました。

年表

• - 1964年 - 家庭日用雑貨品の移動販売を開始
• - 1972年 - 株式会社リビングチェンオサダを設立
• - 1995年 - ハイパーマートオサダ小戸マリーナ店を開店
• - 2001年 - 民事再生法を申請し、再生手続き開始
• - 2004年 - ザ・スーパーカンパニーを設立し、営業を譲渡

さて、オサダが展開した店舗の多くは、新たな経営の舵取りによって再利用されていくこととなりましたが、その過程では多くの店舗が閉店や変更を余儀なくされています。特に福岡県と長崎県では、改装や業態変更が相次ぎ、消費者にとっても記憶に残る店舗となりました。オサダの経営史は、成功と失敗を織り交ぜた波乱万丈のストーリーです。今後の小売業界における教訓としても語り継がれることでしょう。

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