オスカル・ウスタリ

オスカル・ウスタリ：国際舞台を駆け抜けたアルゼンチンの守護神

オスカル・アルフレド・ウスタリ。1986年7月3日、アルゼンチン・ブエノスアイレス生まれのサッカー選手である。彼のキャリアは、アルゼンチンの名門クラブCAインデペンディエンテで幕を開けた。その後、スペインやメキシコなど、数々のクラブを渡り歩き、世界中のサッカーファンにその名を刻み込んだ。

若くして才能を開花させたウスタリは、2006年FIFAワールドカップドイツ大会にアルゼンチン代表として出場。当時、CAリーベル・プレートに所属していたヘルマン・ルクスを抑え、代表の座を掴み取った逸材であった。さらに、2005年のFIFAワールドユース選手権では優勝メンバーの一員として、世界への挑戦を始めた。

2007年、彼はスペインのヘタフェCFに移籍。正ゴールキーパーとして活躍する傍ら、2008年北京オリンピックでは金メダル獲得に貢献した。しかし、オリンピック準々決勝のオランダ戦で左膝靭帯を断裂するという重傷を負い、全治8ヶ月と診断される。この怪我は彼のキャリアに大きな影を落とすことになった。チームは彼の不在の中でも優勝を掴んだが、ウスタリは所属クラブでの登録を失い、背番号1は他の選手に渡ってしまった。長期に渡るリハビリを経て、2009年4月に戦列復帰を果たすも、度重なる怪我に悩まされることとなる。5年間でリーグ戦41試合の出場にとどまり、2012年7月、ヘタフェCFとの契約を解除した。

その後、彼はアルゼンチンに帰国し、ボカ・ジュニアーズに加入。しかし、すぐにスペインのUDアルメリアに移籍するも、出場機会に恵まれず、イングランドのサンダーランドAFCへと活躍の場を移した。サンダーランドではFAカップで2試合に無失点で貢献するなど、その実力を見せつけたものの、シーズン終了後には再びアルゼンチンに帰国。ニューウェルズ・オールドボーイズと契約を結んだ。

2016年には、メキシコのリーガMXのアトラスFCに移籍。メキシコでもその実力を発揮したかに見えたが、2017年にはUANLティグレス戦で左膝を負傷し、数カ月の離脱を余儀なくされた。その後も、ウルグアイのリベルプール・モンテビデオ、メキシコのパチューカと渡り歩き、2023年夏にパチューカを退団。半年近くの無所属期間を経て、2024年2月にはチリのアウダックス・イタリアーノに加入した。

彼の私生活では、1986年FIFAワールドカップ優勝メンバーであるリカルド・ジュスティの娘と結婚している。

オスカル・ウスタリは、数々の怪我に苦しみながらも、常に挑戦を続け、世界中で活躍したアルゼンチンを代表するゴールキーパーの一人である。彼のキャリアは、困難を乗り越え、夢を追い続けることの大切さを教えてくれる、感動的な物語と言えるだろう。彼の今後の活躍にも期待したい。

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