オスニエリア

オスニエリア（Othnielia）の概要

オスニエリアは、鳥盤類恐竜の一属であり、その名称は19世紀のアメリカの古生物学者オスニエル・チャールズ・マーシュに由来します。特に、オスニエリア・レックス（Othnielia rex）という種名は1977年にピーター・ガルトンによって命名されたもので、もともとマーシュがナノサウルス・レックス（Nanosaurus rex）として知られていたものに対して新たに名付けられました。

特徴

オスニエリアに関する情報は限られているため、現在はオスニエロサウルスという新しい属名のもとに分類される化石がある一方で、オスニエリア自体の化石は希少で、他の近縁種に基づいた予測に留まることが多いです。この恐竜は、全長約1.5から2メートル、体重はおおよそ10キログラムの小型の草食性動物であると考えられています。前肢は短く、後肢は長いという体形を持ち、二足歩行で軽快に移動していたことが推測されます。また、オスニエリアに関しては証拠は無いものの、フィクション作品「ジュラシック・パーク」では「木登り恐竜」として登場するなど、興味を引く存在となっています。

発見史

オスニエリアの化石は、アメリカのワイオミング州、ユタ州、コロラド州にあるジュラ紀後期のモリソン累層から発見されました。しかし、2007年にガルトンの研究によって、これらの化石の多くが再評価されました。その結果、オスニエリアは明確な化石の証拠が不足していることが指摘され、特にナノサウルス・レックスのホロタイプである大腿骨（YPM 1875）との関連性が示唆されるに止まりました。このため、オスニエリアは疑わしい属名（nomen dubium）と見なされ、新属オスニエロサウルス（Othnielosaurus）に位置付けられることとなりました。オスニエリアの復元やその分類に関する結論は、引き続き学会の中で議論されることが予想されます。

最初の標本

ガルトンの研究において、オスニエリアの最初のタイプ標本として扱われるのは、2つの部分骨格です。他にも多くの標本が存在しますが、それらはオスニエリアとして直接的には扱われていません。特に、アータル博物館にある「バーバラ」と呼ばれるほぼ完全な標本や、ほぼ完璧な下顎骨（MWC 5822）などが除外されています。このことから、ガルトンはオスニエリアの名称を使用するべきではないと考えています。

DMNH 21716

一方、カスリーン・ブリルとケネス・カーペンターは、コロラド州ガーデンパークにあるモリソン累層でOthnielia rexと見られる幼体の標本DMNH 21716を報告しています。この標本は大きさが小さく、神経棘が癒合しておらず、ながい骨は海綿状かつ不完全な構造であるため、未成熟な個体であると考えられています。もしこの標本がオスニエリアに帰属するのであれば、既知の成体の標本と比較しても約1/3の大きさに相当します。しかし、オスニエリアに関する卵や幼体は未だに発見されていないため、この標本の年代を特定することはできません。

まとめ

オスニエリアは、鳥盤類恐竜の中でも特異な存在でありながら、その証拠が限られているため、研究者たちによる議論が続いています。新しい発見や再評価により、オスニエリアの理解が深まることが期待されます。

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