小森陽一『オズの世界』:地方遊園地を舞台にした成長物語
『オズの世界』は、小森陽一による
長編小説で、
集英社文庫から
2015年に刊行されました。この作品は、熊
本県荒尾市にある
遊園地「グリーンランド」をモデルにしており、地方の
遊園地に配属された新人社員が、同僚や利用客との交流を通じて成長していく姿を描いています。
誕生の背景
作者の小森陽一は、かつて「グリーンランド」に勤務していた知人から、地方
遊園地の舞台裏に関するエピソードを聞いたことがきっかけで、この小説を着想しました。『
海猿』シリーズなどで知られる小森にとって、
本作は初の女性主人公となる作品であり、女優の
波瑠をイメージして執筆されました。主人公の名前「波平久瑠美」には、「波」「瑠」の文字が用いられています。
あらすじ
一流ホテルチェーンに就職した波平久瑠美は、グループ傘下の九州にある
遊園地に配属されます。テーマパークに憧れを抱いていたものの、現実とのギャップに戸惑い、仕事に不満を感じる日々を送っていました。しかし、そこで「魔法使い」と呼ばれる天才社員、小塚慶彦と出会います。不慣れな土地で、
遊園地を盛り上げるために奮闘する久瑠美は、次第に仕事にやりがいを感じ始めますが、その先には更なる試練が待ち受けています。
登場人物
波平 久瑠美(なみひら くるみ)
演 -
波瑠
22歳。株式会社東洋スーパーワンダーランド(TSW)
遊園地事業部企画課の社員。東京ディズニーランドでアルバイトをしていた経験を買われ、ホテルロワイヤルからTSWへ出向を命じられます。
小塚 慶彦(おずか よしひこ)
演 -
西島秀俊
30歳。TSW
遊園地事業部企画課の係長で、久瑠美の上司。数々の企画を成功させ、
遊園地の集客率を上げたことから「魔法使い」と呼ばれています。
玉地 弥生(たまち やよい)
演 - 橋
本愛
27歳。TSW
遊園地事業部宣伝課で、久瑠美の先輩。
上園 龍(うえぞの りゅう)
演 -
深水元基
26歳。TSW
遊園地事業部企画課で、久瑠美の先輩。
メディア展開
『オズの世界』は、小説の発表後、様々なメディアで展開されました。
漫画化
『ふしぎの国の波平さん』というタイトルで畑優以によって
漫画化され、『
週刊ヤングジャンプ』(
集英社)で
2017年から
2018年にかけて連載されました。全3巻が刊行されています。
映画化
『オズランド 笑顔の魔法おしえます。』というタイトルで映画化され、
2018年10月26日に公開されました。主演は小説の主人公のイメージとなった
波瑠が務め、撮影は原作のモデルとなったグリーンランドを中心に熊
本県内で行われました。
書籍情報
小説
小森陽一『オズの世界』
集英社文庫
ISBN 978-4087453867(
2015年11月20日)
漫画
畑優以『ふしぎの国の波平さん』
集英社(ヤングジャンプコミックス)
2018年2月19日発売、
ISBN 978-4088908625
2018年10月19日発売、
ISBN 978-4-08-891015-4
2018年10月19日発売、
ISBN 978-4-08-891112-0
映画情報
キャスト
波平久瑠美 -
波瑠
小塚慶彦 -
西島秀俊
玉地弥生 - 橋
本愛
スタッフ
原作 - 小森陽一
監督 -
波多野貴文
脚
本 -
吉田恵里香
音楽 - 白石めぐみ
関連情報
グリーンランド (遊園地)
本作のモデルとなった
遊園地。