オチキス 25mm対戦車砲

概要

オチキス25mm対戦車砲（Canon léger de 25mm antichar SA-L）は、1930年代初頭にフランス軍に導入されたコンパクトな対戦車砲です。第一次世界大戦で使用されたピュトー37mm歩兵砲はその性能から対戦車任務には不適切であることが認識され、新しい対戦車砲の需要が高まりました。この状況下で、オチキス社は1926年に新型の25mm対戦車砲を開発し、フランス陸軍に提案。480kgの軽量仕様と当時の装甲を考慮した25mmの口径が評価され、採用されることとなりました。

最初の量産型はm/34、後に発展型のm/37も生産され、これらは共通して開脚式の砲架や漏斗型消炎器を装備していました。しかし、SA 37では軽量化された砲架が導入され、運搬時の便宜を考慮した折りたたみ式の防盾や新しい車輪デザインが特徴でした。さらに、砲身を47.2口径に短縮した車載型のSA 35も開発され、パナール178やルノーAMR35などのフランス製装甲車両に装備されました。

運用

25mm対戦車砲は、砲口初速が900m/s、タングステン弾芯を用いると950m/sに達し、60度傾斜した30mmの装甲板を貫通する能力を有しています。そのサイジングと発砲時の目立たなさから、隠密に使用するには最適でしたが、開戦当初からその性能は相対的に不足していました。

1940年1月、フィンランド政府は冬戦争を受けてフランスから50門のSA 37と25,000発の弾薬を購入しました。最初の40門はすぐに前線に配備されましたが、戦闘によって3門は失われ、残る10門はドイツ軍に鹵獲されフィンランドには届きませんでした。その4ヶ月後、ドイツのフランス侵攻時にもフランス軍や対戦車砲不足のイギリス軍に使用されましたが、その性能に対する評判は芳しくありませんでした。ドイツ軍は鹵獲した対戦車砲を「2.5cm Pak 112(f)」と名付けて活用し、さらに一部は北アフリカ戦線でイタリア軍により「cannone da 25/72」と呼ばれた対戦車ライフルの代替として使用されました。

ドイツ軍は鹵獲した25mm対戦車砲をフィンランドに再販売し、フィンランド軍はそれぞれ「25 PstK/34」と「25 PstK/37」という名前で1943年まで第一線で運用しました。また、1935年にはアメリカ陸軍もこの対戦車砲を評価のために購入しています。興味深いことに、日本海軍が開発した九六式二十五粍高角機銃は同じメーカーから派生したもので、直接的な関連はありません。

登場作品

この対戦車砲は、戦略シミュレーションゲーム『R.U.S.E.』や映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー』にも登場し、その歴史的意義を示しています。

関連項目

• - 対戦車砲
• - 対戦車砲一覧
• - 戦車

外部リンク

• - WinterWar.com

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