オデッセイ (イングヴェイ・マルムスティーンのアルバム)

『オデッセイ』（Odyssey）は、1988年にギターの名手イングヴェイ・マルムスティーンが「イングヴェイ・マルムスティーンズ・ライジング・フォース」名義で発表した4枚目のスタジオ・アルバムです。

制作の背景

本作は、ジェフ・グリックスマンがプロデューサーとして迎えられたことが大きな転機となりました。グリックスマンのマネージャーであるラリー・メーザーが、当時ジョー・リン・ターナーのマネージャーでもあったことから、ターナーがヴォーカルとして参加する運びとなりました。ジョー・リン・ターナーの加入は、イングヴェイの音楽性に新たな彩りをもたらし、アルバムの完成度を高める上で重要な役割を果たしました。

しかし、アルバム制作の過程は決して平坦ではありませんでした。1987年6月、イングヴェイは愛車ジャガー・Eタイプを運転中に事故を起こし、8日間に及ぶ昏睡状態に陥ります。さらに、1988年1月には母親リグマーが癌で亡くなるという悲劇に見舞われました。これらの出来事は、イングヴェイの精神状態に大きな影響を与えたと考えられますが、彼は苦難を乗り越え、アルバムを完成させました。

セールスと評価

『オデッセイ』は、9か国のチャートでトップ50位以内にランクインするなど、商業的にも成功を収めました。Billboard 200では18週にわたってチャートインし、最高40位を記録。これは2021年現在、イングヴェイが発売した作品の中で最高位となっています。

参加メンバー

イングヴェイ・マルムスティーン: エレクトリックギター、アコースティック・ギター, エレクトリックベース, バックヴォーカル
ジョー・リン・ターナー: リードヴォーカル
イェンス・ヨハンソン: キーボード
ボブ・デイズリー: エレクトリックベース (on "Rising Force", "Hold On", "Crystal Ball" and "Now Is the Time")
アンダース・ヨハンソン: ドラムス

ライブ・映像作品

収録曲の数々は、以下のライブ・映像作品でも楽しむことができます。

Rising Force
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード
I Can't Wait
ライヴ!!
スペルバウンド・ライヴ・イン・タンパ
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード’89
Heaven Tonight
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード
Budokan Hall Tokyo 1994
スペルバウンド・ライヴ・イン・タンパ
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード’89
ライヴ・アット・武道館
スペルバウンド・ライヴ・イン・オーランド
Dreaming (Tell Me)
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード’89
スペルバウンド・ライヴ・イン・タンパ
スペルバウンド・ライヴ・イン・オーランド
Riot in the Dungeons
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード’89
Deja Vu
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード’89
Crystal Ball
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード
トライアル・バイ・ファイアー:ライヴ・イン・レニングラード’89

『オデッセイ』は、イングヴェイの音楽キャリアにおける重要な作品の一つであり、彼の卓越したギターテクニックと、ジョー・リン・ターナーの力強いヴォーカルが融合した、聴き応えのあるアルバムです。

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