オトコのコ オンナのコ (アルバム)

アルバム『オトコのコ オンナのコ』について

『オトコのコ オンナのコ』は、小泉今日子が1996年に発表した19作目のスタジオ・アルバムで、彼女の音楽のキャリアにおいて重要な一枚です。このアルバムは、全曲の作詞を小泉自身が手掛けた初めての作品であり、音楽プロデューサーには菅野よう子を迎えました。彼女の手によって生まれた音楽は、自由な発想と多様なスタイルを反映しています。

アルバムのリリースと制作背景

『オトコのコ オンナのコ』は、前作『TRAVEL ROCK』から3年ぶりのオリジナルアルバムとして、1996年11月21日にビクター音楽産業からリリースされました。初回盤は三方背BOX仕様で、ジャケットは全て英語で表記されるという斬新なデザインが特徴的です。アーティスト名は「KYON KYON」、アルバムタイトルは「otokonoko onnanoko」と記されています。

1980年代後半から小泉とディレクターの田村充義は、アルバム制作において新しいコラボレーションを模索していました。その過程で、田村が菅野よう子という音楽家に注目していたことがきっかけとなり、小泉もその提案に賛同し、菅野を起用することになりました。田村は後に、制作プロセスがスムーズで楽しかったことや、小泉との相性の良さを振り返り、二人のコラボレーションが見事だったことを感じていました。

音楽スタイルと収録曲

アルバム内では、菅野以外にも、GO-BANG'Sの森若香織やマレフィスの鴨志田琢、北上リュンヌ、奥田民生などが楽曲提供に名を連ね、バラエティに富んだ楽曲が収録されています。「オトコのコ オンナのコ」というタイトル曲は、完成後にTBS系の音楽番組「COUNT DOWN TV|COUNT_DOWN_TV」のオープニングテーマとして使用されました。この曲には特別なアレンジが施され、シングルとしてもリリースされました。

1996年当時は、いわゆる「小室ファミリー」や「ビーイング系」といったスタイルがJ-POPのヒットチャートで人気を博していましたが、それに対抗する形で、当アルバムでは渋谷系の流行が取り入れられています。作品全体は、自由で個性的なサウンドが特徴であり、聴く者に新たな音楽体験を提供しています。

アルバム内の曲の中には、M-7の「ポマード」のように歌詞が存在しないものや、M-9の「インタビュー」では小泉が詞を呟くポエトリーリーディングが印象的です。また、M-12「深い緑のベルベット」は日本テレビのニュース番組「NNNきょうの出来事」のエンディングテーマとしても知られています。

さらに、M-4「for my life」は、1999年にアレンジを変更してシングルカットされるなど、長期間にわたって愛される楽曲となりました。このように、『オトコのコ オンナのコ』は、小泉今日子の音楽的な成長と挑戦を象徴する作品として、今も多くのファンに親しまれています。

まとめ

『オトコのコ オンナのコ』は、小泉今日子の楽曲における新たな一歩を確立したアルバムであり、音楽界における彼女の地位を強固なものにしました。多彩な参加ミュージシャンとのコラボレーションや、自由な作風は、聴く者に深い感動を与えること間違いありません。このアルバムは、小泉今日子の魅力が詰まった作品と言えるでしょう。

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