オナガイヌワシ

オナガイヌワシ（Aquila audax）

オナガイヌワシは、タカ目タカ科に属する大型の猛禽で、オーストラリアや南ニュージーランドに広く分布しています。この美しい鳥の体長は81から110センチメートルで、体重は2.0から5.5キログラム、翼を広げると190から280センチメートルにもなります。性別によるサイズ差があり、メスはオスよりも大きく育ちます。羽毛は濃い褐色で、特徴的な尾羽はくさび形をしています。

生息地と分布

オナガイヌワシはオーストラリア本土とニューギニア島南部に生息しています。オーストラリアの大陸では一般的に見られ、一方でタスマニア島に生息するAquila audax fleayiという亜種は、タスマニア州政府によって絶滅危惧種に指定されています。この亜種は、体長が100から110センチメートル、翼開長が190から230センチメートル、体重は3.5から5.5キログラムと、基亜種よりやや大きい特徴があります。

生態と狩猟行動

オナガイヌワシは、高空での浮遊飛行（ソアリング）を通じて餌を探すことで知られています。彼らは、ノウサギやワラビー、カンガルー、さらにはディンゴの死骸などを見つけ、急降下して捕らえます。この鳥たちは社交的な狩人であり、しばしば複数の個体で協力しながら獲物を仕留めることが観察されています。地面近くで獲物の注意を引く個体と、上空から攻撃する個体の連携が見られます。

しかし、最近の生態環境の変化により、採餌方法にも変化が現れています。特に外来種のノウサギの増加やカンガルーの交通事故死が影響し、餌を得る際の競争が緩和された結果、グループでの狩りが減少しているとのことです。このような環境変化は、鷲の生態や行動に足りない影響を与えているかもしれません。

絶滅危惧と保護

Aquila audax fleayi、すなわちタスマニア亜種はその数が減少しており、絶滅の危機に瀕しています。これに対し、オーストラリア政府や地域の保護団体が取り組みを進めています。彼らは生息地の保護や餌となる動物の個体数の管理を行い、オナガイヌワシの生存を促進する努力をしています。これにより、この美しい鳥が将来にわたり生息できる環境を維持しようとする活動が続けられています。

参考文献

• - Field Guide to Australian Birds, Michael Morcombe, Steve Panish Publishing, 2004.
• - ANIMAL, David Burnie, Dorling Kindersley, 2006.

オナガイヌワシは、壮大な姿で空を舞う姿と、その環境における重要な役割を担う生物として、私たちに多くのことを教えてくれます。

もう一度検索