ワラビー

ワラビー：小型カンガルーの多様な生態と分布

ワラビーは、オーストラリアとその周辺に生息するカンガルー科の動物で、カンガルーやワラルーよりも小型の種類を指す一般的な名称です。明確な定義はありませんが、約30種が存在し、それぞれが独自の生態を持っています。

ワラビーの特徴

ワラビーは、カンガルーに似た特徴を多く持ちますが、後ろ足が小さく、尾が短いという違いがあります。移動手段はカンガルーと同様に跳躍で、育児嚢で子供を育てる習性も共通です。森林に生息する小型のワラビーは、特にヤブワラビーやドルコプシスとして知られています。ワラビーという名前は、シドニー周辺に住んでいたアボリジニのEora族の言葉に由来し、若いワラビーは他のカンガルー類と同様に「ジョーイ」と呼ばれます。

分布と生息地

ワラビーは、オーストラリアの森林地帯、岩場、半乾燥地の草原、都市近郊の森林など、多様な環境に適応して生息しています。ただし、広大で乾燥したアウトバックには少なく、そのような環境は移動能力の高いカンガルーに適しています。

ワラビーはニュージーランドやブリテン諸島にも移入されました。ニュージーランドでは害獣として扱われ、狩猟の対象となっています。ブリテン諸島ではマン島での生息数が最も多く、約100の繁殖コロニーが確認されています。また、ハワイのオアフ島にもワラビーの生息が確認されています。

分類

ワラビーは、カンガルー科の中で明確に分類されたグループではありませんが、一般的に体重が25kg以下の種を指します。カンガルー属のスナイロワラビーやアカクビワラビーなど、カンガルーやワラルーに近縁な種も含まれます。

イワワラビー属は、岩場に適応した種で、足裏の皮膚の摩擦を利用して岩をしっかりと掴むことができます。少なくとも15種が存在し、種間の関係がまだ明確に分かっていないものもあります。一部の種は絶滅の危機に瀕しており、捕獲された個体の繁殖プログラムが世界各地で実施されています。

シマウサギワラビーは、かつてオーストラリア南部に広く分布していたSthenurinae亜科の唯一の現存種です。現在は、移入種の影響を受けていない西オーストラリア州の2つの島にのみ生息しています。

ニューギニア島には、少なくとも5種のワラビーが生息しています。

生息数

ワラビーは、ニュージーランドのカワウ島に移入され、害獣として扱われています。オーストラリアへの再移入計画も一部成功しています。

マン島のBallaugh Curraghs地域には、野生化した100個体以上のワラビーが生息しています。これらの個体は、数年前にCurraghs Wildlife Parkから逃げ出したつがいから繁殖したものです。

ハワイのオアフ島のKalihi Valleyにも、ワラビーの野生化した個体群が存在します。このコロニーは、1916年に動物園から逃げ出したオグロイワワラビーが起源です。

スコットランドのローモンド湖にあるInchconnachan島や、イングランドのピーク・ディストリクトにもワラビーの繁殖集団が存在します。ピーク・ディストリクトの個体群は、1940年頃に地元の動物園から逃げ出した5個体が起源であり、2009年にも生息が確認されています。ローモンド湖の個体群は、1920年代に定着し、約28個体に達しました。

アイルランドの東にあるランベイ島にも、ダブリン[[動物園]]によって導入された小さなワラビーの個体群が存在します。

ワラビーの種類

ワラビーの定義は明確ではありませんが、中型のカンガルー科の動物に対して一般的に使用されます。代表的な種類としては、シマウサギワラビー、カンガルー属のワラビー、イワワラビー属、ヤブワラビー属、オグロワラビー属などが挙げられます。

人間との関わり

ワラビーは、オーストラリアのラグビーナショナルチームの愛称「ワラビーズ」の由来となっています。また、漫画やアニメのキャラクターとしても登場し、親しまれています。

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