オフヴォーカル

オフヴォーカルとは

オフヴォーカルは、音楽作品においてヴォーカルパートを除いた音源を指します。この音源は、カラオケやインストルメンタル、バッキングトラックとも呼ばれ、音楽を楽しむための幅広い用途で利用されています。本来のヴォーカルを含む音源は「オンヴォーカル」と称されますが、オフヴォーカルは楽器演奏や歌唱練習、さらには音楽制作にも重宝されています。この用語は日本で作られた和製[[英語]]であり、英語の「off」と「vocal」が組み合わさっています。

オフヴォーカルの制作

オフヴォーカルを作る際、単にヴォーカルを削除するだけでなく、音量やイコライズ、タイミングの調整などが施されることが多いです。このため、オフヴォーカルはリミックスの一種として理解されることもあります。特にコーラスパートが除去されている場合は「インストルメンタル」と呼ばれ、逆にコーラスパートが含まれる場合は「オリジナル・カラオケ」と表現されます。

また、近年では特定の楽器パート（たとえばドラムなど）のみを外した音源も人気があり、楽器の練習用としても活用されています。具体的な例として、日本のアーティスト東儀秀樹のシングル『There must be an angel』に収録された篳篥練習用音源などが挙げられます。このように、オフヴォーカルはさまざまな形式でリリースされ、使用されています。

用途と配信

オフヴォーカル音源は主にカラオケで利用されますが、現代ではオンラインでのMIDI音源が普及しています。特に、通信カラオケの進化により、家庭でのカラオケや特定の場面での利用が増えています。また、インターネットを通じて、作曲家が音源を公開することで、バーチャルYouTuberや歌い手がそれを用いて投稿することが一般的になっています。

音楽配信サービスでは、オフヴォーカル音源を簡単に入手できるようになり、歌い手やVtuberが自由に使用しています。しかし、オフヴォーカル音源も著作権により保護されており、権利者の許可なく使用することは法律で禁じられています。

流通と名称の変遷

日本においてオフヴォーカルは1976年にナイアガラ・レーベルから最初にリリースされましたが、その後1990年代に多くのレーベルによってオフヴォーカル入りのシングルCDが登場しました。当初は「オリジナル・カラオケ」と呼ばれることが多かったですが、現在では「インストルメンタル」や「inst.」という表記が一般的です。また、最近はボカロPの作品でもオフヴォーカル音源のダウンロードリンクが提供されており、さまざまな形式でその存在が浸透しています。

多彩な表現

オフヴォーカル音源には多くの呼び名が存在します。「Backing Track」「Less Vocal」「TV Mix」など、アーティストやレーベルごとに様々な名称がつけられています。時には、オフヴォーカルだけを収録した特別なアルバムが発表されることもあり、これは他の音楽メディアでも行われています。また、オフヴォーカル音源は音楽配信を通じて広まり、通信カラオケの進化と共にその需要も高まっています。

このように、オフヴォーカルは音楽の楽しみ方を多様化させ、アーティストやアマチュアミュージシャンが自分のスタイルで活動するための重要なツールとなっています。

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