オブライエン (DD-415)

USSオブライエン (DD-415)

USSオブライエン（DD-415）は、アメリカ海軍のシムス級駆逐艦の一隻で、命名の由来はアメリカ独立戦争で活躍した軍人ジェレマイア・オブライエンです。彼とその兄弟は1775年に発生したマチャイアスの海戦での功績により、歴史に名を刻みました。

艦歴

オブライエンは1938年5月31日にボストン海軍工廠で建造が始まり、1939年10月20日に進水しました。艦の名付け親は、子孫であるジョセフィン・オブライエン・キャンベルで、1940年3月2日にはカール・F・エスペ少佐の指揮下で正式に就役しました。この艦は、同じく建造された駆逐艦ウォーク（DD-416）、ランズデール（DD-426）、マディソン（DD-425）と共に、艦名披露の式典を合同で行いました。

1940年から1941年にかけて、オブライエンはアメリカ東海岸での作戦に従事し、1941年秋には入渠修理を受けました。

太平洋戦線への派遣

1942年1月15日、オブライエンはアイダホ戦艦（BB-42）およびマスティン駆逐艦（DD-413）と共にノーフォークを出発しました。パナマ運河経由でサンフランシスコに到着した後、輸送船団と共に進軍。しかし、駆逐艦ケース（DD-370）との衝突により修理のため戻ることになりました。修理後、サンディエゴ経由で真珠湾に向かい、3月には第4駆逐群の旗艦として任務に従事しました。

島々への警戒任務や民間人の撤収を行い、4月には海軍航空基地へ向かう要員を乗せ、またサモアでの護衛任務にも従事しました。特にウォリス島の占領時には自由フランス軍を支援しました。

沈没の経緯

8月8日から始まったガダルカナル島の戦いでは、オブライエンも第17任務部隊の一員として戦闘に参加しました。9月15日、伊号潜水艦の攻撃によりオブライエンは命中弾を受けて艦首が大破しました。その後、応急修理を行いながらヌメアへ向かいましたが、途中で船体にさらなる損傷が見つかり、最終的には急遽サンフランシスコへの帰還を計画。しかし、10月19日、クラックが上甲板に達し、艦は2つに折れ始めました。

乗員は全員救助されたものの、オブライエンはサモア沖で沈没しました。沈没後、アメリカ海軍は原因調査を行い、十分な調査をしないまま応急修理を施し出航したことが沈没の原因と判断されました。

オブライエンは、その戦功により1個の従軍星章を受章しました。彼女の艦歴は、戦闘と勇気の象徴として長く記憶されることでしょう。

参考文献

• - 永井喜之、木俣滋郎「アメリカ空母「ワスプ」」『撃沈戦記』
• - 木俣滋郎『日本潜水艦戦史』

関連項目

• - アメリカ海軍艦艇一覧
• - 第二次世界大戦中のアメリカ海軍の喪失艦一覧

この艦の歴史は、アメリカ海軍の誇りと苦闘の物語が詰まった貴重な記録です。

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