オリガ・ベルゴリツ

オリガ・ベルゴリツの生涯と業績

オリガ・ベルゴリツ（1910年3月11日 - 1975年11月13日）は、ソ連の著名な詩人であり、第二次世界大戦中のレニングラード包囲においてその名を広めた重要な存在です。彼女は、ラジオ放送を利用して多くの市民に希望と勇気を与えました。

幼少期と教育

彼女はサンクトペテルブルクの労働者地区に生まれ、父は軍医、母は読書好きな家庭に育ちました。オリガは、1918年からの国内戦による食糧不足でウーグリチに疎開し、その後1920年にサンクトペテルブルクに戻りました。小学校卒業後、1924年にレーニン工場付属のピオネール組織に参加し、社会活動への道を歩み始めます。

1926年にはコムソモール候補へと進んでいき、その後2年間は「クラスナヤ・ベーチャルナヤ・ガゼータ」という紙の文書運搬係として働きました。この時期、彼女は芸術史研究所に通い、さらにレニングラード国立大学へと移ります。そして、1930年に哲学課程を卒業し、中央アジアの地方紙「ソビエツカヤ・スチェーピ」での編集者としてのキャリアをスタートさせました。

戦争と市民への影響

夫が軍隊に召集された後、オリガはレニングラードに戻り、エレクトロシーラ工場の新聞編集に関与しました。この頃、彼女は詩人サムイル・マルシャークを通じてマクシム・ゴーリキーに紹介されますが、1937年に嫌疑をかけられて逮捕されるという試練も味わいます。1941年のドイツとの戦争勃発後、オリガはレニングラードに残り、放送局での職務を全うし続けました。

1942年1月には夫が亡くなり、一層厳しい状況に置かれましたが、彼女は放送を通じて市民に希望と勇気を与えました。その原稿は1946年に出版されましたが、スターリンの死後まで販売が禁止となる不運も背負っていました。彼女の詩の一節「誰一人忘れまい、何一つ忘れまい」は、多くの人々に感動を与え、ピスカリョフ墓地の壁に刻まれることとなります。

晩年と影響

オリガはレニングラード防衛勲章やレーニン勲章を受勲し、サンクトペテルブルクの名誉市民にも選ばれました。1975年に亡くなるまで彼女は創作活動を続け、自身の経験を基にした詩や文を数多く残しました。彼女の作品には『二月の日記』や『レニングラード叙事詩』などがあり、戦争の悲劇や市民の粘り強さを称えています。

代表作と文献

オリガ・ベルゴリツの作品には以下があります：
1. 短編『片田舎』
2. 短編『ジャーナリスト』
3. 詩集『二月の日記』
4. 叙事詩『レニングラード叙事詩』
5. 詩集『守備隊兵士の思い出』
6. 文集『こちらはレニングラード放送局です』

彼女の回想録『昼の星』やH.E.ソールズベリーの『攻防900日』などの文献も、オリガの影響を受けた作品として重要です。彼女の業績は現在でも多くの人に語り継がれ、その詩は今もなお人々に感動を与えています。

もう一度検索