オリベンサ

オリベンサ（スペイン語: Olivenza、ポルトガル語: Olivença）は、スペイン・エストレマドゥーラ州バダホス県に属する自治体です。ポルトガルとの国境に位置し、その歴史的経緯から両国間の微妙な関係を象徴する地域でもあります。

地理

オリベンサはグアディアーナ川の東岸に位置し、バダホスの南約24kmにあります。ジャーノス・デ・オリベンサ郡の中心であり、同名の司法管轄区の中心地でもあります。隣接する自治体としては、スペイン側のバダホス、バルベルデ・デ・レガネス、バルカロータ、イゲーラ・デ・バルガス、アルコンチェル、タリガ、そしてポルトガル側のアランドアル、エルヴァスが挙げられます。1297年から1801年までポルトガル領であったため、ポルトガルは現在もオリベンサに対するスペインの主権を認めていません。

行政区

オリベンサの自治体内には、以下の地区が存在します。

サン・ベニート・デ・ラ・コンティエンダ（San Benito de la Contienda）
サン・フランシスコ・デ・オリベンサ（San Francisco de Olivenza）
サン・ホルヘ・デ・アロール（San Jorge de Alor）
サン・ラファエル・デ・オリベンサ（San Rafael de Olivenza）
ビジャレアル（Villarreal）
サント・ドミンゴ（Santo Domingo）

歴史

オリベンサの街の歴史は、13世紀半ばの1230年以降、テンプル騎士団による再植民に始まります。1297年には、摂政マリア・デ・モリーナ（フェルナンド4世の母）の時代に、アルカニセス条約によってポルトガル王ディニス1世にオリベンサの領有権が譲渡されました。その後、1801年のバダホス条約によってスペインに割譲され、バダホス県に編入されました。

1815年のウィーン会議において、ポルトガルはバダホス条約の取り消しとオリベンサの返還を求めましたが、実現には至りませんでした。現在、この地域を巡っての紛争は発生していませんが、ポルトガル政府は依然としてオリベンサの返還を要求し続けています。この領有権をめぐる問題は、オリベンサの歴史と文化に深く影響を与えています。

言語

言語学者レイテ・デ・ヴァスコンセーロスによると、19世紀末のオリベンサ住民は二言語併用者でした。市街地から離れた集落ではポルトガル語のみが使用されていましたが、1960年代には集落でも二言語併用状態となりました。市街地では1940年代までポルトガル語が優勢でしたが、それ以降の世代は子供たちにスペイン語を教えるようになり、21世紀の現在では、1940年代以前に生まれた世代間での会話でしかポルトガル語は使われなくなりました。事実上、この地の方言である「オリベンサのポルトガル語（Portugués oliventino）」は消滅したと考えられています。

オリベンサは、その地理的な位置と歴史的な背景から、スペインとポルトガルの文化が交錯する独特な場所です。言語の変遷からも、この地域が辿ってきた複雑な歴史を垣間見ることができます。現在も、ポルトガルが領有権を主張し続けていることから、この地域が抱える歴史的な問題は未解決のまま残されています。

外部リンク

公式ウェブサイト（スペイン語）
バダホス県議会公式ページのURL'>バダホス県議会公式ページ（スペイン語）
* エストレマドゥーラ州観光局（スペイン語）

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