オリンパソン'80

『オリンパソン'80』概要

『オリンパソン'80』は、1980年5月5日から5月6日にかけてテレビ朝日が放送した生放送番組で、モスクワオリンピックに向けた事前キャンペーンとして実施されました。本番組は、テレビ朝日が国際オリンピック委員会（IOC）との契約に基づいて行ったモスクワ大会の独占生中継に関連する一連の企画の一環です。

この特別番組の名前は、「オリンピック」と「テレビマラソン」を組み合わせた言葉であり、その内容は多岐にわたるものでした。総合司会には久米宏とジュディ・オングを起用し、多彩なゲストや企画が設けられていました。西城秀樹は、番組のイメージテーマソング「俺たちの時代」を披露し、さらに人気アニメ「ドラえもん」やザ・ドリフターズとのコラボ企画も開催されました。

しかし、1979年に発生したソビエト連邦によるアフガニスタン侵攻の影響で、日本を含む西側諸国でモスクワオリンピックの参加をボイコットする動きが高まりました。このため、テレビ朝日は「日本はモスクワ五輪に参加するか」に関する視聴者へのアンケートを実施し、当初は「参加すべき」との意見が優位でしたが、ボイコットを支持する意見も増加しました。最終的には「参加すべき」が9973件、「ボイコットすべき」が9263件となり、参加論がわずかに勝利しました。しかし、5月24日、日本オリンピック委員会（JOC）は不参加を正式に表明しました。

こうした状況を受けて、テレビ朝日は当初の予定から一部内容を変更。その後も業界からの批判を受け、規模を縮小しつつも番組は放送される運びとなりました。

放送内容

『オリンパソン'80』は、以下のような流れで進行しました:

• - 8:00: オープニング
• - 8:30: モーニングショー

司会: 溝口泰男、渡辺直子、銅谷志朗
主にスポーツ情報を伝えました。

• - 9:30: 世界こどもオリンピック

司会: 砂川啓介、キャロライン洋子
世界33ヶ国の子供たちが参加し、運動会に似たスポーツイベントを実施。

• - 12:00: アフタヌーンショー

司会: 川崎敬三、今村優理子
モスクワオリンピック参加の是非を討論するコーナーでは、政治家や評論家が参加しました。

• - 18:30: バラエティーショー「ドリフと秀樹とドラえもん」

ザ・ドリフターズや西城秀樹、ドラえもんが出演。

• - 21:00: 映画『東京オリンピック』
• - 0:20: グランドフィナーレ

「これでいいのかオリンピック!! 今わたしたちは何を？」と題した討論が行われました。

結論

全体を通して、『オリンパソン'80』はモスクワオリンピックへのさまざまな思いがこもった一大イベントであり、当時の国際情勢を背景にした人々の意見をすくい上げる重要な役割を果たしました。多様な視点やエンターテイメントを盛り込み、視聴者とのコミュニケーションを重視した点が特筆されます。

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