オルデンブルク (領邦)

オルデンブルク：中世から近代への変遷

オルデンブルクは、中世から近代にかけてドイツに存在した領邦国家であり、その歴史は複雑かつ多岐にわたります。首都オルデンブルク（現在のニーダーザクセン州の都市）を中心に、周辺地域を支配しました。この地域は、ヴェーザー川下流域に位置し、フンテ川が流れる肥沃な土地です。

オルデンブルクの歴史

オルデンブルク伯領 (1108年-1774年)

オルデンブルクの歴史は、1108年にエリマール1世がオルデンブルク伯として記録されたことから始まります。エリマール1世の子孫は、ザクセン諸公国の家臣として、あるいは対抗者としてその名を歴史に刻みました。1180年、皇帝フリードリヒ1世がザクセン公ハインリヒ3世の公領を没収した際、オルデンブルク伯も帝国諸侯としての地位を認められました。この時期のオルデンブルク伯領には、デルメンホルスト伯領も含まれていましたが、後に分割され、一族の若い分枝のための所領となりました。

13世紀初頭、オルデンブルク伯領は、北や西に広がるフリース人諸国との戦争を通じて領土を拡大しました。また、隣接する自由ハンザ都市ブレーメンやミュンスター司教とも頻繁に戦火を交えました。

デンマークとの関係

オルデンブルク家は、デンマーク王家（オルデンブルク朝）との深い繋がりを持ちます。1448年、クリスティアン7世がデンマーク王に選出され（クリスチャン1世）、オルデンブルクはデンマーク王国から遠く離れた飛地となりました。クリスチャン1世は、1450年にノルウェー王、1457年にスウェーデン王も兼ね、1460年にはシュレースヴィヒ公国およびホルシュタイン公国を継承しました。1454年、クリスチャン1世は弟のゲルハルト6世にオルデンブルク伯の地位を譲りました。

宗教改革と三十年戦争

16世紀初頭、オルデンブルク伯ヨハン5世はフリース人を犠牲にして勢力を拡大しました。ヨハン5世の死後、4人の息子が伯爵領を共同統治し、その一人であるアントン1世はルター主義を導入しました。三十年戦争においては中立を保ち、ティリー伯に軍馬を提供することで、戦禍を免れました。1667年、アントン・ギュンターが男子なく没し、オルデンブルクはデンマーク王国の支配下に置かれることとなりました。

オルデンブルク公国 (1774年-1810年)

1773年、デンマーク王クリスチャン7世は、ピョートル3世とエカチェリーナ2世の子パーヴェル1世にオルデンブルク伯領を割譲しました。その後、1777年に陞爵が行われ、オルデンブルク公国が成立しました。しかし、ナポレオン戦争中の1806年、オルデンブルク公国はフランス帝国軍に占領され、1810年にはフランス帝国に編入されました。

オルデンブルク大公国 (1815年-1918年)

ナポレオン没落後の1813年、摂政ペーターはオルデンブルクに帰国し、ウィーン会議においてロシア皇帝アレクサンドル1世のために協力しました。その結果、オイティンとビルケンフェルトが与えられ、オルデンブルクの君主号は大公に進められ、オルデンブルク大公国が成立しました。1871年にはドイツ帝国の構成国の一つとなりました。

ドイツ帝国崩壊とその後

1918年、ドイツ革命が勃発し、君主制が廃止されると、オルデンブルク大公国も終焉を迎えました。その領域にはオルデンブルク自由州が設立されました。

オルデンブルクの歴史は、領土の変遷、支配者の交代、そして周辺諸国との複雑な関係によって彩られています。その歴史は、中世から近代への移行期におけるドイツの領邦国家のあり方を象徴するものと言えるでしょう。

もう一度検索