オルデンブルク自由州

オルデンブルク自由州：激動の時代を駆け抜けた短命な自由州

オルデンブルク自由州（Freistaat Oldenburg）は、1918年から1946年まで存在したドイツの自由州です。第一次世界大戦後のドイツ革命によってオルデンブルク大公国が解体されたことを受けて成立し、ヴァイマル共和政下で議院内閣制を敷きました。しかし、ナチス政権の台頭による強制的同一化、第二次世界大戦後の混乱を経て、ニーダーザクセン州に統合され、その短い歴史を終えました。

成立とヴァイマル共和政下での歩み

1918年11月、オルデンブルク大公フリードリヒ・アウグストが退位し、労兵レーテがオルデンブルク＝オストフリースラント・レーテ共和国の樹立を宣言しました。その後、ドイツ独立社会民主党のベルンハルト・クーントの下に州総局が設立されましたが、1919年2月にドイツ国政府が介入し、クーントは逮捕されました。

同年6月には「オルデンブルク自由州憲法」が制定され、第一回州議会が開会。社会民主党、民主党、中央党の3党連立政権である第1次テオドール・タンツェン内閣が発足しました。しかし、1920年6月の州議会選挙後、連立交渉は行き詰まり、タンツェン内閣は1923年3月に総辞職。その後、オイゲン・フォン・フィンク、フリードリヒ・カセボムと州首相が交代しました。

1919年10月にはオルデンブルク秩序警察が設立され、治安維持の面で大きな変化が起きました。秩序警察は反乱鎮圧を目的として設立され、主要都市の警察任務を所管した他、リューベックおよびビルケンフェルトでは領土防衛にあたりました。

ナチ党政権下での苦難

1931年5月の州議会選挙でナチ党が得票率37.2%で第一党となり、翌年の選挙では48.5%で絶対多数を確保。1932年6月には初のナチ党による州政権であるカール・レーバー内閣が発足しました。

1933年5月からは、オルデンブルク自由州はブレーメン州とともに国家代理官の下に置かれ、自治権は剥奪されていきました。1937年4月には、飛び地であったビルケンフェルトとリューベックがプロイセン自由州に移管される一方で、プロイセン自由州のヴィルヘルムスハーフェンがオルデンブルク自由州に編入されました。

第二次世界大戦後、そしてニーダーザクセン州へ

第二次世界大戦終戦後、オルデンブルクはイギリス軍の占領下に置かれました。イギリス軍政府と協力してオルデンブルクを独立国として存続させる検討も行われましたが、最終的には却下され、ニーダーザクセン州の一部となることが決定しました。

1946年8月、イギリス軍政令によりオルデンブルク自由州はオルデンブルク共和国となりましたが、同年11月には、ブラウンシュヴァイク共和国、ハノーファー州、シャウムブルク＝リッペ共和国とともにニーダーザクセン州に統合され、その歴史に幕を閉じました。

2011年にはニーダーザクセン州議会でオルデンブルク自由州憲法が正式に廃止され、完全に過去のものとなりました。

州元首

オルデンブルク自由州では、時代によって州の元首の名称が異なりました。

州総裁 (1918年 - 1919年)
オルデンブルク自由州首相 (1919年 - 1933年)
* オルデンブルクおよびブレーメンの国家代理官 (オルデンブルク駐在) (1933年 - 1945年)

歴代の州元首には、ベルンハルト・クーント、テオドール・タンツェン、オイゲン・フォン・フィンク、フリードリヒ・カセボム、カール・レーバー、ゲオルク・ヨーエル、パウル・ウェゲナーらが名を連ねています。

州章と州旗

オルデンブルク自由州の州章は、4分割された盾の中に、金地と青地にそれぞれ赤い帯と金色の十字架が配されたものでした。

州旗は、青地を赤十字で4等分にした長方形とされていました。

人口と行政区分

1939年5月時点で、オルデンブルク自由州の面積は5,396平方キロメートル、人口は582,400人でした。

行政区分は大公国のものをほぼそのまま引き継ぎましたが、1933年に包括的な行政改革が行われ、地区は6つに再編されました。主要な都市としては、デルメンホルスト、オルデンブルク、ヴィルヘルムスハーフェンなどが挙げられます。

オルデンブルク自由州は、その短い歴史の中で、激動の時代を駆け抜けました。その存在は、ドイツの歴史における重要な一幕として、記憶されるべきでしょう。

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