オレが私になるまで

『オレが私になるまで』作品解説

『オレが私になるまで』は、漫画家・佐藤はつき氏による作品で、小学2年生の男の子が突然女の子になってしまうという、奇想天外な物語です。本作は、作者がPixivで発表していた作品に加筆修正を加え、ComicWalkerとニコニコ静画で連載が開始されました。

あらすじ

主人公の藤宮明（ふじみや あきら）は、ごく普通の小学2年生の男の子でした。しかし、原因不明の奇病「突発性性転換症候群」によって、ある日突然女の子の姿になってしまいます。最初は戸惑い、いつか元の男の子に戻れると信じていましたが、やがてそれが叶わないことを悟ります。

男の子だった頃の友達からは奇異な目で見られ、女の子たちからは避けられるようになったアキラは、クラスに居場所を失い、転校を決意します。転校先で、アキラは新たな生活を始めますが、過去のトラウマや性別の変化による葛藤は、そう簡単に消えるものではありませんでした。

アキラは、女の子として成長していく中で、かつて男の子だった頃に女の子たちに行っていた悪戯を後悔したり、現状を打破したいという葛藤に苦しんだりしながらも、少しずつ精神的にも女の子になっていきます。そして、「自分はもう女の子である」という事実を受け入れ、少女としての自分を確立していくのです。

主要な登場人物

藤宮 明（ふじみや あきら）
本作の主人公。突然女の子になってしまった少年。転校を機に、過去の自分と向き合いながら、少女として成長していく。内面的な葛藤を抱えつつも、前向きに生きようとする姿が読者の共感を呼ぶ。

渡井 瑠海（わたい るみ）
アキラのクラスメイトであり、親友。アキラが女の子になった当初から、彼女を支え、励まし続ける。明るく優しい性格で、アキラにとってかけがえのない存在。アキラに対して強い友情以上の感情を抱いている。

川島 早苗（かわしま さなえ）
アキラの母方の祖母。アキラが転校してきた際に、彼女を受け入れ、温かく見守る。アキラにとって、心の拠り所となる存在。

作品の魅力

本作の魅力は、性別の変化というセンシティブなテーマを扱いながらも、主人公の成長や友情、家族の絆などを丁寧に描いている点にあります。アキラが直面する様々な困難や葛藤は、読者自身の悩みや不安と重なり、共感を呼びます。また、アキラを取り巻く人々との温かい交流は、読者の心を癒し、勇気を与えてくれます。

『オレが私になるまで』は、性同一性や自己肯定感といった現代的なテーマを扱いながらも、普遍的な人間ドラマとして楽しめる作品です。ぜひ一度、手に取って読んでみてください。

書誌情報

佐藤はつき 『オレが私になるまで』 KADOKAWA〈MFコミックス〉、既刊5巻（2024年6月21日現在）
2019年6月22日発売、ISBN 978-4-04-065714-1
2019年11月22日発売、ISBN 978-4-04-064198-0
2020年8月21日発売、ISBN 978-4-04-064615-2
2021年12月22日発売、ISBN 978-4-04-680989-6
2024年6月21日発売、ISBN 978-4-04-682274-1

外部リンク

オレが私になるまで - カドコミ（旧・ComicWalker）
オレが私になるまで - ニコニコ静画
佐藤はつき (@hatukisu) - X（旧Twitter）

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