オレンジ色の愛たち

『オレンジ色の愛たち』

『オレンジ色の愛たち』は、TBS系列の「木曜座」枠で1979年10月11日から12月27日まで放映されたテレビドラマです。この作品は、不思議な縁で出会った二人の男女、鉄道マニアの経済雑誌編集長と新人女優の愛の物語を描いています。

あらすじ

物語の主人公は、宇津井健演じる経済雑誌の編集長・柘植良平。彼は、鉄道マニアという一面を持ちながらも、仕事に携わりながら日々を忙しく過ごしています。彼の前に現れるのが、秋吉久美子が演じる新人女優、橋口葉子です。二人の出会いは偶然に過ぎないようですが、彼らの関係は次第に深まっていくことで、演劇界の華やかな面だけでなく、その裏に潜む陰の部分も明らかになっていきます。

このドラマでは、主人公二人の交流を中心に、演劇界の表向きの華やかさと、そこで感じる苦悩や孤独、さらには愛の形を探る姿が繊細に描かれており、視聴者に多くの感情を呼び起こします。

スタッフとキャスト

この作品は宮崎晃の脚本によって構築されており、演出を和田旭、浅生憲章、宮武昭夫が担当しました。出演者には、奈良八郎役の宇津井健を中心に、他にも秋吉久美子、風吹ジュン、小倉一郎、藤岡琢也、丹波義隆、水野久美、伊東四朗、真行寺君枝、田崎潤と多彩なキャストが名を連ねています。

物語は、柘植と橋口の関係性を深める中で、周囲の友人や家族との絡みも描かれ、より立体的な人間ドラマが展開されます。それぞれのキャラクターが持つバックストーリーが明らかになるにつれて、彼らの選び取る道も観る者の心に響いてきます。

主題歌

ドラマの雰囲気を一層引き立てる要素の一つは主題歌です。豊島たづみの歌う「行き暮れて」は、作詞を落合恵子、作曲を桜井順、編曲を大村雅朗が手掛けており、楽曲は作品のテーマ性にもマッチしています。

評価と関連作品

『オレンジ色の愛たち』は、その放送に先立ち、同じく「木曜座」で好評を博した「水中花」の後続番組として始まりましたが、視聴率は前作には及びませんでした。とはいえ、演技やストーリーの構成には高い評価を受けており、後に単行本としても出版されています。この書籍は、脚本を手がけた宮崎晃と瀬戸春生が共著となっており、1979年10月に初版が発売されています。

『オレンジ色の愛たち』は、1970年代の日本のテレビドラマにおける一つの完成形を示す作品であり、今なお多くの視聴者に記憶されている重要な作品です。

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