田崎潤

田崎潤 - 生涯と作品

田崎潤（本名：田中実）は、日本を代表する俳優の一人であり、1930年代から1980年代にかけて活躍しました。彼は1913年8月28日に青森県青森市で生まれ、1985年10月18日に亡くなるまでの約72年間、数多くの映画や舞台でその名を響かせました。

来歴

田崎の父は公務員であり、青森市の小学校を卒業後、県立青森商業に進学。1932年に卒業した後、地方の劇団に加入し、役者としての道を歩み始めました。彼は地方を巡業する中で、1935年に舞台劇団ピエル・ボーイズに入団し、月波洋三郎という名で活動を開始。1936年に同劇団を退団し、以降は上海で振付師としての経験を積みました。

1937年に帰国後、地元名古屋の劇団に参加し、その後の戦争に応召される瞬間まで、田崎の芸能活動は続きます。1942年には新生喜劇座を結成し、舞台に立つも、その厳しい環境から早くも退団。1944年には再度応召され、戦争が終わるまで軍人としての生活を余儀なくされました。

映画界の道へ

戦後、彼はたんぽぽ劇団に戻り、1947年には空気座に移籍。1948年には舞台『肉体の門』で大成功を収め、映画版でも同役を演じて映画デビューを果たしました。この経験により、田崎は新[[東宝]]にスカウトされ、1950年には『細雪』に出演する際に田崎潤という名を名乗るようになりました。これは、同作で共演する田中春男との名前の重複を避けるためです。

彼は1951年には村上元三の小説『次郎長三国志』の映画化を提案し、以来この作品は続編が作られるなど、東宝を代表するシリーズ映画になるほど成功しました。

映画とテレビでの実績

田崎は1960年代から活躍を続け、多岐にわたる役柄で数々の名作に出演しました。彼のフィルモグラフィーには、戦争映画、特撮映画、そしてテレビドラマが含まれており、代表作には『明治天皇と日露大戦争』、『怪獣大戦争』、そして『連想ゲーム』が挙げられます。特に、彼の役どころは強烈な存在感を放つものが多く、強い顔立ちと豪快な演技で多くのファンを魅了しました。

私生活とエピソード

田崎は共演者との親交も深く、中でも三船敏郎とは酒を交わす友人関係でした。彼には「成城のピストル事件」という逸話もあり、三船との間で起きた子供じみたいさかいが地域の有名な話として語られることになりました。また、彼は地元青森を舞台にした『八甲田山』で、完璧な津軽弁を披露するなど、地元への愛情も強く表現していました。

晩年

田崎潤は、1984年に肺癌と診断されながらも、盟友黒澤明の作品『乱』のロケに参加し、役を全うしました。残念ながら、彼は1985年にその病により72歳で去りました。彼の業績は、舞台や映画だけでなく、テレビドラマやバラエティ番組にも及び、多くの人々に印象を残しました。

二世代にわたる俳優としての影響力は長年にわたり日本のエンターテインメント界に刻まれ、今日でも田崎潤の名は多くの人々に愛されています。彼の存在は、これからも日本の映画と演劇の歴史において語り継がれていくことでしょう。

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