オンガクお嬢FES.

オンガクお嬢FES.（オンガクおじょうフェス）は、山陰地方を拠点とするテレビ局である日本海テレビと、2024年からはエフエム山陰が共同で主催・企画制作を行う、山陰地方で唯一開催されているロック・フェスティバルである。このイベントは、日本海テレビで放送されている音楽情報番組『オンガクお嬢Remix』から派生したもので、その前身にあたる「オンガクお嬢LIVE」（オンガクおじょうライブ）についても本稿で解説する。

前身「オンガクお嬢LIVE」（2022年・2023年）

このイベントは、テレビ番組『オンガクお嬢Remix』の企画として始まり、2022年に「オンガクお嬢LIVE」の名称で初開催された。当初、開催場所は山陰地方ではなく、アーティストの招聘やツアーの都合を考慮して東京都内が選ばれた。2022年の第1回は渋谷のSpotify O-nestで、翌2023年の第2回は同じく渋谷のduo MUSIC EXCHANGEで開催された。いずれも開催時期は1月、期間は1日のみで、ステージも一つという比較的コンパクトな形式であった。主催は日本海テレビ単独であり、司会は両年とも番組MCであり日本海テレビアナウンサーの中尾真亜理が務めた。初期の出演アーティスト数は3組程度であったが、2023年の公演では、出演者の一つである四星球のパフォーマンス中にラッパーのR-指定がサプライズで参加するという見どころもあった。

各年の概要

- 2022年

- 日時：1月20日（木）
- 会場：Spotify O-nest（東京都渋谷区）
- 主催：日本海テレビ
- 司会：中尾真亜理
- 出演アーティスト数：3組
- 形式：1ステージ、1日間

- 2023年

- 日時：1月27日（金）
- 会場：duo MUSIC EXCHANGE（東京都渋谷区）
- 主催：日本海テレビ
- 司会：中尾真亜理
- 出演アーティスト数：3組
- 形式：1ステージ、1日間
- 特記事項：四星球のライブにR-指定が参加

「オンガクお嬢FES.」への改称と山陰移転（2024年以降）

2024年からは、イベントの名称が「オンガクお嬢FES.」へと改められ、開催形式と場所が大きく変更された。これは、『オンガクお嬢Remix』のラジオ版としてエフエム山陰で毎月放送されている『中尾真亜理の月刊FMお嬢』が新たに共同主催者に加わったことによる。最大の変更点は、開催地が東京から山陰地方、具体的には鳥取県米子市の米子コンベンションセンター BiG SHiPへと移転したことである。この移転は、東京スカパラダイスオーケストラのギタリストである加藤隆志が長年抱いていた「山陰地方で本格的なロックフェスティバルを実現したい」という熱意を受け、日本海テレビ開局65周年記念イベントとして実現したものである。開催時期もこれまでの1月から2月へと変更され、期間も1日から2日間の開催へと拡大された。

山陰開催後の特徴（2024年〜）

山陰地方での開催となった「オンガクお嬢FES.」は、規模が大幅に拡大された。主会場である米子コンベンションセンター BiG SHiP内には、趣の異なる2つのステージが設けられた。一つは、最大収容人数2004人の多目的ホールを利用したメインステージ「DAISEN STAGE」。もう一つは、約300人を収容する小ホールを利用した「SHINJIKO STAGE」である。これら2つのステージで同時進行的に様々なアーティストのライブが行われる形式となった。2024年の開催では、出演アーティスト数も12組へと大幅に増加し、ラインナップの多様化も図られている。また、日本海テレビの情報番組『おびわんっ!』との連携により、会場内ではグルメやグッズ販売などを楽しめる「おびわんっ!マルシェ」が同時開催され、音楽ライブ以外の楽しみも提供されている。イベントの司会は引き続き中尾真亜理が担当している。スムーズな運営のため、会場での注意事項や禁止行為については、公式のYouTubeチャンネルなどを通じて事前に詳細な情報が公開されるといった配慮も行われている。

2024年開催概要

- 日時：2月17日（土）・18日（日）
- 会場：米子コンベンションセンター BiG ShiP（鳥取県米子市）
- 主催：日本海テレビ / エフエム山陰
- 司会：中尾真亜理
- 出演アーティスト数：12組
- 形式：2ステージ（DAISEN STAGE / SHINJIKO STAGE）、2日間
- 特記事項：山陰移転、日本海テレビ開局65周年記念、おびわんっ!マルシェ同時開催

「オンガクお嬢FES.」は、ローカル番組発のイベントが、地域唯一の本格的な音楽フェスティバルへと成長した例として注目される。山陰地方の音楽シーンを盛り上げる重要なイベントとなっている。

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