オンキヨーサウンド
オンキヨーサウンド株式会社は、かつて音響機器、電子機器、車載用スピーカーなどの開発、設計、製造、販売、および受託生産を行っていた企業です。長年にわたり培われた技術力と製品開発力で、業界に一定の地位を築いていました。
2020年7月31日、オンキヨー（存続会社）は子会社のオンキヨー&パイオニアを同年10月1日付で合併し、社名をオンキヨーホームエンターテイメント株式会社に変更すると発表しました。この組織再編に伴い、オンキヨーの事業は会社分割により、OEM事業を担うオンキヨーサウンド株式会社と、その他のサービス事業を担うオンキヨー株式会社（3代目法人）に分割されました。
オンキヨーサウンドは主にOEM事業を手掛けていましたが、事業の採算性を維持することが困難になりました。さらに、親会社であるオンキヨーホームエンターテイメントが、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の流行による業績悪化により、2021年8月にJASDAQ市場を上場廃止となったことが追い打ちをかけました。これにより、2021年9月末時点で約3億1000万円の債務超過に陥るなど、業績は急速に悪化しました。
2022年2月8日、オンキヨーサウンドはオンキヨーマーケティング（旧・オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパン）とともに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任しました。そして、2022年3月18日に大阪地方裁判所へ破産を申請し、同年3月28日に破産手続開始決定を受けました。オンキヨーサウンドの負債総額は約21億円にのぼりました。この破産により、長年培ってきたオンキヨーブランドの一翼を担っていた同社の歴史に幕を閉じることとなりました。
オンキヨーサウンドの前身となる事業の歴史は、1950年のノンプレスコーン特許出願にまで遡ります。以下に、同社の沿革を詳しくまとめます。
1950年：ノンプレスコーン特許出願
1961年1月：大阪府寝屋川市にスピーカー工場（香里工場）を新設
1980年4月：三重県津市に生産会社、オンキヨーエレクトロニクス株式会社を設立
1986年5月：アメリカに生産会社、Onkyo America, Inc.を設立
1990年：バイオクロスコーンスピーカーの製造販売を開始
1991年4月：マレーシアに生産会社、Onkyo Electronics (Malaysia) Sdn. Bhd.を設立
1998年1月：OMFコーンスピーカーの製造販売を開始
2000年11月：中国（上海）に生産会社、上海恩上海安橋電子有限公司（現：上海安橋電子有限公司）を設立
2002年3月：アメリカに販売会社、Onkyo Industrial Components, Inc.を設立
2004年1月：プラス産業株式会社および中山福朗声紙盆有限公司の株式を取得
2010年：ウルトラスリムスピーカーの製造販売を開始
2010年6月：Onkyo-Inventa (Hong Kong) Co., Ltd.の100％子会社として Onkyo-Inventa Technologies (Tianjin) Co., Ltd.（天津英安達科技有限公司）を設立
2011年8月：国内大手パソコンメーカーにて「Sound by Onkyo」が採用
2012年6月：中国（広州）に生産会社、広州安橋国光音響有限公司（現：広州安橋音響有限公司）を設立
2016年：CNFコーンスピーカー、マグネシウムコーンスピーカーの製造販売を開始
2016年4月：国内大手テレビメーカーにて「Sound by Onkyo」採用
2017年3月：インドに生産会社、Minda Onkyo India Private LimitedをUNO MINDAとの合弁会社として設立
2019年6月：加振器Vibtoneのラインナップ強化で新分野へ市場拡大開始
2020年10月：オンキヨーホームエンターテインメント株式会社の100%子会社としてOEM事業を主軸としたオンキヨーサウンド株式会社を設立
2022年3月：オンキヨーマーケティング株式会社（旧・オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパン株式会社）と共に大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受ける
オンキヨーサウンドは、長年にわたる歴史の中で、様々なスピーカー技術を開発し、多くの製品に採用されてきました。その技術力は国内外で高く評価されており、「Sound by Onkyo」のブランドは多くのユーザーに親しまれていました。しかし、市場の変化や親会社の経営状況の悪化により、その事業を終えることとなりました。
オンキヨーサウンドの歴史は、音響技術の革新とグローバルな展開の歴史でもありました。特に、コーンスピーカー技術の進化は、同社の大きな特徴の一つです。この技術は、多くのオーディオ機器に採用され、高品質なサウンド体験を提供するのに貢献しました。
* プレミアムオーディオカンパニーテクノロジーセンター（旧・オンキヨーテクノロジー）
オンキヨーサウンドの破産は、音響業界において、市場の変化や経営戦略の重要性を改めて浮き彫りにしました。同社の技術や製品は、今後のオーディオ業界の発展に貢献すると期待されます。
設立経緯と事業の変遷
2020年7月31日、オンキヨー（存続会社）は子会社のオンキヨー&パイオニアを同年10月1日付で合併し、社名をオンキヨーホームエンターテイメント株式会社に変更すると発表しました。この組織再編に伴い、オンキヨーの事業は会社分割により、OEM事業を担うオンキヨーサウンド株式会社と、その他のサービス事業を担うオンキヨー株式会社（3代目法人）に分割されました。
オンキヨーサウンドは主にOEM事業を手掛けていましたが、事業の採算性を維持することが困難になりました。さらに、親会社であるオンキヨーホームエンターテイメントが、新型コロナウイルス感染症（COVID-19）の流行による業績悪化により、2021年8月にJASDAQ市場を上場廃止となったことが追い打ちをかけました。これにより、2021年9月末時点で約3億1000万円の債務超過に陥るなど、業績は急速に悪化しました。
2022年2月8日、オンキヨーサウンドはオンキヨーマーケティング（旧・オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパン）とともに事業を停止し、事後処理を弁護士に一任しました。そして、2022年3月18日に大阪地方裁判所へ破産を申請し、同年3月28日に破産手続開始決定を受けました。オンキヨーサウンドの負債総額は約21億円にのぼりました。この破産により、長年培ってきたオンキヨーブランドの一翼を担っていた同社の歴史に幕を閉じることとなりました。
沿革
オンキヨーサウンドの前身となる事業の歴史は、1950年のノンプレスコーン特許出願にまで遡ります。以下に、同社の沿革を詳しくまとめます。
1950年：ノンプレスコーン特許出願
1961年1月：大阪府寝屋川市にスピーカー工場（香里工場）を新設
1980年4月：三重県津市に生産会社、オンキヨーエレクトロニクス株式会社を設立
1986年5月：アメリカに生産会社、Onkyo America, Inc.を設立
1990年：バイオクロスコーンスピーカーの製造販売を開始
1991年4月：マレーシアに生産会社、Onkyo Electronics (Malaysia) Sdn. Bhd.を設立
1998年1月：OMFコーンスピーカーの製造販売を開始
2000年11月：中国（上海）に生産会社、上海恩上海安橋電子有限公司（現：上海安橋電子有限公司）を設立
2002年3月：アメリカに販売会社、Onkyo Industrial Components, Inc.を設立
2004年1月：プラス産業株式会社および中山福朗声紙盆有限公司の株式を取得
2010年：ウルトラスリムスピーカーの製造販売を開始
2010年6月：Onkyo-Inventa (Hong Kong) Co., Ltd.の100％子会社として Onkyo-Inventa Technologies (Tianjin) Co., Ltd.（天津英安達科技有限公司）を設立
2011年8月：国内大手パソコンメーカーにて「Sound by Onkyo」が採用
2012年6月：中国（広州）に生産会社、広州安橋国光音響有限公司（現：広州安橋音響有限公司）を設立
2016年：CNFコーンスピーカー、マグネシウムコーンスピーカーの製造販売を開始
2016年4月：国内大手テレビメーカーにて「Sound by Onkyo」採用
2017年3月：インドに生産会社、Minda Onkyo India Private LimitedをUNO MINDAとの合弁会社として設立
2019年6月：加振器Vibtoneのラインナップ強化で新分野へ市場拡大開始
2020年10月：オンキヨーホームエンターテインメント株式会社の100%子会社としてOEM事業を主軸としたオンキヨーサウンド株式会社を設立
2022年3月：オンキヨーマーケティング株式会社（旧・オンキヨー&パイオニアマーケティングジャパン株式会社）と共に大阪地方裁判所から破産手続開始決定を受ける
オンキヨーサウンドは、長年にわたる歴史の中で、様々なスピーカー技術を開発し、多くの製品に採用されてきました。その技術力は国内外で高く評価されており、「Sound by Onkyo」のブランドは多くのユーザーに親しまれていました。しかし、市場の変化や親会社の経営状況の悪化により、その事業を終えることとなりました。
脚注
オンキヨーサウンドの歴史は、音響技術の革新とグローバルな展開の歴史でもありました。特に、コーンスピーカー技術の進化は、同社の大きな特徴の一つです。この技術は、多くのオーディオ機器に採用され、高品質なサウンド体験を提供するのに貢献しました。
関連項目
* プレミアムオーディオカンパニーテクノロジーセンター（旧・オンキヨーテクノロジー）
オンキヨーサウンドの破産は、音響業界において、市場の変化や経営戦略の重要性を改めて浮き彫りにしました。同社の技術や製品は、今後のオーディオ業界の発展に貢献すると期待されます。
もう一度検索
【記事の利用について】
タイトルと記事文章は、記事のあるページにリンクを張っていただければ、無料で利用できます。
※画像は、利用できませんのでご注意ください。
【リンクついて】
リンクフリーです。