プレミアムオーディオカンパニーテクノロジーセンター

プレミアムオーディオカンパニーテクノロジーセンター株式会社 (PACTC) について

プレミアムオーディオカンパニーテクノロジーセンター株式会社（PACTC）は、大阪府東大阪市に本社を構える音響機器の開発設計会社です。2023年11月29日までオンキヨーテクノロジー株式会社として知られていましたが、社名変更を経て現在に至ります。PACTCは、アメリカのヴォックス・インターナショナルの子会社であるPremium Audio Company, LLC (PAC) と、シャープ株式会社の合弁会社として設立されました。

事業概要

PACTCは、ONKYO、Integra、Pioneerといったハイエンドブランドのホームシアター向け高級AVアンプや高級オーディオ製品の開発設計を専門としています。開発に特化した企業として、旧オンキヨーおよびパイオニア（ホームAV機器部門）の技術者約80名が参画しており、その技術力と経験が製品開発の核となっています。

製品開発の流れは、PACTCが商品企画を行い、それをPACに提案、アメリカの市場動向も踏まえて最終仕様を決定するというものです。また、PACからの商品提案や開発依頼を受けることもあります。HDMIやソフトウェアなど、PAC傘下ブランドとの共通設計も一部ありますが、音質に関してはオンキヨーとパイオニアの個性を尊重した設計が求められています。

PACTCは自社工場を持たないため、製品の生産はシャープが出資するマレーシアの工場（Sharp North Malaysia Sdn. Bhd.）で行われています。この工場は、かつてシャープとオンキヨーホームエンターテイメントが共同出資していた経緯から、オーディオ機器の生産に長けています。

日本国内での販売は、ティアック株式会社が代理店として担い、ティアックの直販サイトや一部の家電量販店で製品が販売されています。アフターサービスもティアックが担当します。一方、日本国外ではPACが販売とアフターサービスを行います。

PACTCは、オンキヨーホームエンターテイメント株式会社やオンキヨー株式会社（3代目法人）との資本関係はありませんが、オンキヨーの技術・設計部門の技術者が参加しており、戦後のオーディオ製造から始まったオンキヨーのDNAを受け継いでいます。

設立の背景

2021年5月、オンキヨーホームエンターテイメントが経営難に陥り、ホームAV事業をPACとシャープに売却することが決定しました。これを受けて、2021年9月には、VOXXとシャープが合弁で設立したオンキヨーテクノロジー株式会社への事業譲渡が完了しました。PACは、この譲渡によりオンキヨーおよびインテグラの知的財産と商標を取得しました。

当初、日本国内での販売とアフターサービスはオンキヨーマーケティングが担当する予定でしたが、同社が資金難で破産手続きを開始したため、2022年7月にティアック株式会社と新たに販売代理店契約を結びました。

歴史

1946年、松下電器産業（現パナソニック）から独立した五代武が大阪電気音響社を創業。翌年、大阪音響に社名変更し、自社製スピーカーを搭載したラジオを発売しました。このラジオは高価格ながらヒット商品となり、オーディオ機器やテレビの製造販売にも進出しました。

1971年、大阪音響株式会社はオンキヨー株式会社に社名変更。

1970年代以降、「RADIAN」「INTEC」「ZACCS」「INTEGRA」「LIVERPOOL」「ESSAY」などのコンポーネントを手掛けました。1990年代以降は、ホームシアター用AVレシーバーの生産に注力しました。

2010年、持株会社・オンキヨー株式会社（2代目法人）を設立し、旧法人を子会社化。その後、旧法人はオンキヨーサウンド&ビジョン株式会社に社名変更しました。2012年には、設計部門をデジタル・アコースティック株式会社に承継させ、同社は持株会社に吸収合併されました。

パイオニアブランドの合流

2015年、オンキヨー株式会社はパイオニアホームエレクトロニクス株式会社（PHE）の全株式を取得し、パイオニアグループのホームAV事業を統合しました。PHEはオンキヨー&パイオニア株式会社（OPC）に商号変更し、設計部門はデジタル・アコースティックに譲渡されました。その後、デジタル・アコースティックはオンキヨー&パイオニアテクノロジー株式会社に商号変更されました。2018年には、設計部門がオンキヨー株式会社（2代目法人）本体に移管されました。

その後、米Sound Unitedへの事業譲渡が破談となり、2020年にはオンキヨー株式会社とオンキヨー&パイオニア株式会社が合併し、オンキヨーホームエンターテイメント株式会社（OHE）が設立されました。同時に、OEM事業のオンキヨーサウンド株式会社（ONS）とその他サービス事業のオンキヨー株式会社（3代目法人:ONK-3）が設立されました。OHEは2021年、主力の家庭向けAV事業をシャープとVOXXに売却し、2021年、VOXXとシャープの合弁会社V and S Ventures株式会社がオンキヨーテクノロジー株式会社に商号変更しました。

そして2023年11月30日、オンキヨーテクノロジー株式会社はプレミアムオーディオカンパニーテクノロジーセンター株式会社に社名変更しました。2024年10月には、オンキヨーブランドのロゴが刷新される予定です。

脚注

(省略)

外部リンク

VOXX International Corporation
ONKYOブランド ホームAV製品
* Pioneerブランド ホームAV製品

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