オンコールワーカー

オンコールワーカーとは

オンコールワーカー（On-call worker）とは、事業主の必要に応じて、不定期に短時間だけ働く契約労働者のことを指します。事前に事業主に登録しておき、必要に応じて呼び出されて働くという形態が一般的です。オンコール労働者とも呼ばれます。

オンコールワーカーの働き方

オンコールワーカーは、欠員が出た時や繁忙期など、事業主が人手を必要とするタイミングで募集されます。雇用主は、登録している労働者の中から、必要に応じて勤務を要請します。

勤務期間は数日から数週間程度が一般的で、給与は時間給または日給で計算されます。

オンコールワーカーは、待機時間中に他の仕事を持つことも可能です。そのため、不定期な勤務形態を希望する人にとって、働き方の選択肢の一つとなっています。

専門職のオンコールワーカー

専門性の高い職種では、オンコールワーカーに対して、より手厚い労働条件が設けられる場合があります。たとえば、待機時間に対する「拘束料」や、登録期間中の労働時間を保証する「最低労働時間」、登録中の所得を保証する「月給制」などが適用されるケースがあります。

オンコールワーカーの課題

しかし、一般的なオンコールワーカーの待遇は決して良いとは言えません。事業主からの連絡に備えて常に待機している必要があるため、実質的に事業主に拘束されている状態になります。

一方で、事業主からの連絡がなければ、無業・無収入の状態が続くことになります。また、給与は基本的に労働時間に対する時間給であり、諸手当や休業に対する補償もありません。そのため、収入が不安定になりやすいという問題点があります。

各国でのオンコールワーカーの位置づけ

多くの国では、オンコールワーカーは不安定な身分であると認識されており、一時雇用として扱われることが一般的です。パートタイム労働者に準じた法規制の対象となっている場合が多く、労働者の権利保護が課題となっています。

オンコールに関するその他の用語

なお、「オンコール」という言葉には、「勤務時間外に呼び出しを受けること」や「呼び出しに応じられるように待機を命じられること」という意味もあります。これは、正規雇用者の時間外勤務を指す言葉であり、オンコールワーカーとは異なる概念です。

関連用語

ゼロ時間契約：事業主が労働時間を保証しない契約形態。
一時雇用：雇用期間が限定されている雇用形態。
日雇い：1日単位で雇用契約を結ぶ雇用形態。
ワンコールワーカー：オンコールワーカーと同様の働き方をする労働者のこと。


オンコールワーカーは、柔軟な働き方を可能にする一方で、収入や雇用の不安定さといった課題を抱えています。この働き方を選択する際には、メリットとデメリットを十分に理解しておくことが重要です。

もう一度検索