オンダンセトロン

オンダンセトロンについて

概要

オンダンセトロンは、抗がん剤などによる化学療法に伴う嘔吐を防ぐために使用される薬剤です。この薬は5-HT3受容体拮抗薬に分類され、ノバルティスが商標名「ゾフラン」で販売しています。経口及び静脈注射の形で投与され、胃腸炎や乗り物酔い、手術後の吐き気にも効果があります。1980年代に開発され、1990年代には広く使用されるようになりました。世界保健機関（WHO）においても必須医薬品として認識されています。

作用機序

オンダンセトロンはセロトニンの5-HT3受容体を選択的に阻害します。この受容体は、周辺神経系と中枢神経系の両方に存在し、化学療法によって放出されたセロトニンが迷走神経を刺激し、嘔吐反射を引き起こすのを防ぐ働きがあります。ただし、オンダンセトロンの効果が末梢及び中枢のどちらに強く働くのかは未解明です。

効能

日本では、オンダンセトロンは抗悪性腫瘍剤による吐き気と嘔吐の予防に使われていますが、放射線療法による吐き気には承認されていません。また、術後の吐き気や妊娠悪阻に対しても効果があるとされていますが、特に妊娠中の使用については臨床データが不足しています。

副作用

主な副作用としては、頭痛、下痢、傾眠、瘙痒感などが報告されています。重篤な副作用にはQT延長症候群やアナフィラキシーがあり、患者によっては用量に注意が必要です。特に静脈注射ではQT延長のリスクが増加し、心拍異常を引き起こす可能性があります。日本における推奨用量は1日4mgまでで、必要に応じて増減が可能ですが、高齢者や肝機能の低下している患者には注意が必要です。

妊娠における使用

妊娠中の使用については、通常は他の治療法が効果を示さなかった場合に限り、オンダンセトロンが適応外で使用される場合があります。動物実験によると、高用量のオンダンセトロンによる妊娠への影響は見られないとされていますが、他の研究で先天性心疾患リスクが増加したとの報告もあります。このため、妊娠中の使用は慎重に検討しなければなりません。

研究開発の経緯

オンダンセトロンは1980年代半ばにグラクソ・スミスクライン社によって開発され、1991年にアメリカで承認されました。その後、日本でも1994年に承認され、小児用としては1996年に適応が得られました。これまでの研究から、オンダンセトロンの効果や副作用について多くのデータが蓄積されていますが、今後もさらなる研究が必要とされています。

まとめ

オンダンセトロンは化学療法に伴う吐き気と嘔吐の予防に有効な薬剤として広く使われていますが、使用に際しては副作用や尻尾に注意が必要です。特に妊娠中の母体や胎児への影響については、引き続きデータの収集と分析が求められています。

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