オーウェンとムゼー

オーウェンとムゼイ：奇跡の友情

オーウェンとムゼイは、カバとアルダブラゾウガメという異種でありながら、深い友情で結ばれたことで世界的に知られています。この感動的な物語は、2004年のスマトラ沖地震（インド洋大津波）に端を発します。

運命的な出会い

当時、体重約270キログラムの赤ちゃんカバだったオーウェンは、津波によって母親とはぐれ、ケニア沿岸のマリンディ付近で救助されました。地元の住民約1000人が協力し、サメ用ネットを使ってオーウェンを救い上げました。オーウェンという名前は、救助に貢献したフランス人 Owen Saubion にちなんで名付けられました。

オーウェンはその後、モンバサ近郊のホーラー・パークという自然保護区に移送され、そこでアルダブラゾウガメのムゼイと出会います。ムゼイはスワヒリ語で「老人」を意味し、推定年齢130歳、体重約317キログラムの巨体でした。

種を超えた絆

当初、オーウェンはムゼイに付きまとい、ムゼイの行動を真似るようになりました。ムゼイも次第にオーウェンを受け入れ、まるで親のようにオーウェンを世話するようになったのです。食事や寝床を共にし、オーウェンに様々なことを教えました。

食事、睡眠、水浴び、遊びなど、彼らは最初の1年間をほぼすべての時間を一緒に過ごし、科学者たちを驚かせました。

世界的な話題と書籍化

この奇跡的な友情は、BBCのカメラマン、Peter Gresteによって映像と写真に記録され、世界中に発信されました。そして、この感動的な物語は絵本としても出版され、世界中で愛されています。

"Owen and Mzee: A true story of a remarkable friendship" (2006年2月出版, Scholastic Press)
Isabella Hatkoff, Craig Hatkoff, Paula Kahumbu 著
2006年 New York Timesの絵本売り上げランキングで3週連続1位を獲得
日本語版は「オウエンとムゼイ」として出版（ベッキー訳, 2006年11月, NHK出版刊, ISBN 4140811536）
"Mama: A True Story in Which a Baby Hippo Loses His Mama During the Tsunami, but Finds a New Home, and a New Mama" (2006年4月, Harcourt Childrens Books)
Jeanette Winter 著
日本語版は「ママ　ほんとうにあったおはなし」として出版（福本友美子訳, 2007年2月, 小学館刊, ISBN 9784097262473）

関連情報

カムニャック: ケニアに生息するメスのライオン。オリックスの子供を育てたことで知られています。

外部リンク

Lafarge Eco Systems
Owen and Mzee's Web Log
Odd couple make friends in Kenya. January 1, 2005.
Baby Hippo Orphan Finds a Friend. March 4, 2005.

オーウェンとムゼイの物語は、種や年齢を超えた友情の可能性を私たちに教えてくれます。困難な状況の中でも、愛と絆は育まれるという希望を与えてくれるでしょう。

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