オーガスタ (重巡洋艦)

オーガスタ重巡洋艦について

オーガスタ（USS Augusta, CL/CA-31）は、アメリカ海軍の重巡洋艦であり、ノーザンプトン級の6番艦です。この艦艇は、アメリカ合衆国の海軍の名誉ある艦であり、歴史に名を刻む数々の出来事に参加しました。艦名の由来には、ジョージア州のオーガスタまたはメイン州のオーガスタのどちらかが議論されていますが、「オーガスタ」と名付けられた艦はこれで4隻目です。

艦の設計と特徴

「オーガスタ」はその設計段階で、艦隊旗艦としての運用を考慮し、姉妹艦と若干の違いがあることが特徴です。1928年に起工し、1931年1月30日にノーフォーク海軍工廠で就役。その後、慣熟航海や訓練を経て、偵察艦隊の旗艦として活躍します。特に、1934年にはアジア艦隊の旗艦として日本を訪問し、東郷平八郎元帥の国葬にも参加しました。この時期、オーガスタは日米両国の友好関係を築くための重要な役割を果たしました。

終戦までの艦歴

第二次世界大戦が勃発する前、オーガスタは大西洋艦隊の旗艦としての任務を果たしましたが、太平洋戦線には投入されないまま終戦まで過ごしました。大統領フランクリン・ルーズベルトの迎賓艦としても数回利用され、大西洋憲章の重要な役割を担いました。

オーガスタはその後、アジア艦隊に配属され、シアトルを出港して上海へ向かいます。1933年には中国の国葬に参列後、フィリピン水域での活動を開始し、以後数年間、フィリピンと上海を相互に往復しながら、訓練や艦隊活動を行いました。

日中戦争とその影響

1937年、盧溝橋事件をきっかけに日中戦争が始まり、オーガスタは中国側に立った連合艦隊の一員として活動を続けました。上海に停泊中、度重なる空襲に遭遇しながらも、その役割を果たすこととなりました。特にパナイ号事件においては、「オーガスタ」が乗員の救助を行うなど、艦としての存在意義を示す場面もありました。

北アフリカ作戦と欧州戦線

1942年にはアフリカ北部への上陸作戦にも参加し、主要艦の一つとして艦砲射撃を行い、フランス軍との戦闘にどっぷりと関わりました。その後、大西洋、地中海にも出撃し、さらにはノルマンディー上陸作戦においても重要な艦砲射撃任務を遂行しました。オーガスタは、さまざまな歴史的な場面に立ち会い、戦争史に名を刻むことになります。

戦後の状況と最終的な行く末

戦争終結後のオーガスタは、しばらくの間予備役艦隊に保管され、1959年には除籍されることが決定しました。最終的にはフロリダ州にてスクラップとして売却され、多くの艦たちがそうであったように、その長い歴史に幕を下ろしました。

「オーガスタ」は、その艦歴において3個の従軍星章を受章し、海軍の名誉を体現する艦艇として、多くの人々に記憶されています。

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