オークランド島

オークランド島：亜南極の秘境

オークランド島は、ニュージーランドの南方に位置するオークランド諸島最大の島であり、手つかずの自然が残る無人島です。その特異な景観と生態系は、「ニュージーランドの亜南極諸島」としてユネスコの世界遺産に登録されています。

地理

面積は約510平方キロメートル、長さは約42キロメートル。島の大部分は険しい崖と荒涼とした地形に覆われ、最高峰は600メートルを超えます。カバーン峰（650m）、レイナル山（635m）、デュルビル山（630m）などが主な山です。

島の南部は幅広く、約26キロメートルに及びます。アダムズ島との間にはアダムス海峡が横たわり、海峡はカーンレイ・ハーバーとして島に深く入り込んでいます。この入り組んだ地形は、かつての火山の火口の名残であり、アダムズ島とオークランド島南部はその火口縁にあたると考えられています。カーンレイ・ハーバーの西端から約3キロメートル北に位置するロヴィット岬は、ニュージーランド最西端の地です。

動植物相

オークランド島は、数多くの海鳥の繁殖地として重要な役割を果たしており、バードライフ・インターナショナルによって重要野鳥生息地（IBA）に指定されています。オークランドウ、クリイロコガモ、オークランドクイナ、オークランドムカシジシギなど、固有種を含む貴重な鳥類が生息しています。

かつて島に持ち込まれたヤギは、遭難者の食料として利用されました。1970年代には、ポート・ロスの北西部に約100匹の群れが確認されましたが、1980年代に一部がニュージーランド本土に移送され、飼育下で繁殖が試みられました。しかし、最終的には根絶が決定され、1992年までに駆除が完了しました。1999年の調査では、本土に移送されたヤギの集団も絶滅したとされています。

歴史と文化

オークランド島は無人島ですが、過去には遭難者の避難場所として利用された歴史があります。1955年の映画『The Sea Chase』では、第二次世界大戦中にオークランド島が登場します。映画の内容はフィクションですが、遭難者避難所が存在したという史実を反映しています。

まとめ

オークランド島は、その独特な地形、貴重な動植物相、そして歴史的背景を持つ、まさに亜南極の秘境と呼ぶにふさわしい場所です。世界遺産として保護され、その自然環境が未来へと受け継がれていくことが期待されています。

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