オーストラリア等級審査委員会

オーストラリア等級審査委員会（ACB）

オーストラリア等級審査委員会（Australian Classification Board、略称ACB）は、オーストラリア政府が設立した映像倫理審査機関です。この機関は主に映画およびコンピュータゲームに対する倫理審査を行い、青少年を有害な情報から守ることを目的としています。かつての名称は「フィルム・文献分類管理局」（Office of Film and Literature Classification、OFLC）で、2006年以前はこの名称で親しまれていました。

審査基準と影響

オーストラリアおよび隣国ニュージーランドは、商圏が共通しているため、ACBのレイティングは独自の基準を持つものの、ニュージーランドのOFLCにも多くの基準が反映されます。審査基準は他国の倫理審査機関、特に日本のコンピュータエンターテインメントレーティング機構（CERO）と比較しても非常に厳格です。例えば、ゲーム「ポスタル」は、両国での発売が禁止されており、また「Left 4 Dead 2」は、規制のためにゲーム内容を修正せざるを得ない状況にありました。

こうした厳しい規制は、ユーザーやゲーム開発者から多くの批判を受けており、近年では規制緩和の動きが見られます。特に、過激な暴力表現を含むタイトルが「MA15+（15歳以上のみ）」として無修正で受理される事例が増えてきています。また、映像にのみ適用される「R18+（18歳以上のみ）」というレイティングが、ゲームにも適用されるべきかという議論がオーストラリア国内で本格化している状況があります。

レイティングの種類

ACBのレイティングは、映画やゲームに共通する表示と映像のみに適用されるものがあります。以下にその主なレイティングを紹介します。

• - E (Exempt from Classification) - 灰色：分類から免除される。
• - G (General) - 緑色：全年齢対象。暴力や言葉の表現はほぼ皆無。
• - PG (Parental Guidance) - 黄色：GとMの中間に相当。注意が必要。
• - M (Mature) - 青：暴力や言葉の描写があり、特に注意を要する。
• - MA15+ (Mature Audiences) - 赤：15歳以上の対象。販売や貸与に制限がある。

映像のみに適用されるレイティングには、以下のようなものがあります。

• - R18+ (Restricted) - 成人指定。大人向けの内容。特に強い暴力が含まれる。
• - X18+ (Restricted) - 黒：成人へ向けた内容で、露骨な性表現が含まれる場合。
• - RC (Refused Classification) - 審査拒否の表示。これに該当すると、オーストラリア国内での販売・上映が禁止されます。

結論

オーストラリア等級審査委員会は、映像およびゲームの倫理を守るための重要な機関です。レイティングシステムを通じて、青少年を有害情報から保護するための責任を果たしていますが、同時に、その厳格さに対する批判や規制緩和の要望も存在します。今後の展開に注目が集まる分野でもあります。

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