オーストラリア連邦議会

オーストラリア連邦議会の概要

オーストラリア連邦議会（Parliament of Australia）は、オーストラリアの法制度の基礎を成す立法機関です。議会は二院制を採用しており、主にイギリスのウェストミンスター・システムをモデルにしていますが、アメリカ合衆国議会の影響も見受けられます。オーストラリア憲法第1条においては、連邦議会は国王、上院（元老院）、下院（代議院）の三つの構成要素から成っています。国王の代表としてオーストラリア総督が的位置し、主な役割を担います。

議会の構成と選出方法

下院である代議院は、150名の議員で構成されており、各小選挙区から1名ずつ選ばれます。議員数は固定されていないものの、定期的な選挙によって変動することがあります。上院の元老院は、76名の議員で構成され、各州から12名、各準州から2名が選出される仕組みです。元老院議員は、単記移譲式投票を用いて選ばれます。両院の議場は、キャンベラのオーストラリア連邦議事堂に位置しています。

歴史的背景

オーストラリア連邦議会の第一回の開会は1901年5月9日に行われ、場所はメルボルンの王立展示館でした。以降、約26年にわたりビクトリア州議会から借りた議事堂で議会は開催されていました。しかし、1927年5月9日に新たな首都であるキャンベラへ移転し、旧議事堂にて開催されることとなりました。この旧議事堂は、一時的な建物ではありましたが、60年以上の長い間にわたり連邦議会として機能しました。現議事堂は1988年にオープンし、現在に至っています。

憲法による構成

オーストラリア憲法第1条に基づき、国王（イギリス国王）は議会の重要な要素とされ、国王の国事行為はオーストラリア総督に委任されます。総督は通常、オーストラリア首相の助言に従って国王を代表します。他の権限に関しても憲法に基づき総督に委譲されますが、実際には首相や大臣の助言がなければ行使されることはありません。

上院である元老院は72名で構成されており、アメリカ合衆国の上院を参考にしています。同数の議員が各州から選出されるため、住民数にかかわらず各州は平等に代表を持っています。憲法は法律を通じて元老院の議員数を決定することを許可し、各州は最低でも6名の議員を選出する権利を持ちます。

議会は下院の議員数も決定する権限がありますが、憲法では元老院議員数の2倍を上限として設けられています。各州の住民数に基づく議席割当が行われ、住民数にかかわらず各州は最低でも5議席を持つことが保障されています。準州に関してはこの制約はありません。

1901年から1949年まで、代議院の議員数は74名か75名が基本でしたが、その後1949年の選挙で121名から127名へと改正されました。1977年には最高裁によって議席削減の命令が出され、124名に調整されました。1984年からは両院議席とも増加し、現在の制度が整っています。なお、外国籍を持つ者はオーストラリア憲法第44条の規定により、連邦議会の議員になることは禁止されています。

まとめ

オーストラリア連邦議会は多様な歴史を有しながらも、現在の形に至るまでの経緯や構成の仕組みを理解することで、オーストラリアの政治制度を知る上で欠かせない存在と言えます。各州の平等な代表権や下院と上院の役割分担が、オーストラリアの民主的な機能を支えています。

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