オーチス・ワールドワイド

オーチス・ワールドワイド・コーポレーションについて

オーチス・ワールドワイド・コーポレーションは、アメリカを拠点にエレベーターやエスカレーター、動く歩道といった昇降機器を開発・製造・販売する企業です。1853年にエリシャ・オーチスによってニューヨーク州ヨンカーズで設立され、設立当初から安全性を重視してきました。特に、彼が発明したエレベーターの落下防止装置は、昇降機の設計の革命をもたらし、現在のエレベーター技術の基礎を築きました。

企業名は、初期の「オーチス・エレベータ・カンパニー」から変更され、2020年4月に独立して「オーチス・ワールドワイド・コーポレーション」となりました。現在、本社はコネチカット州ファーミントンに置かれ、アメリカ国内に約6万人、世界各地に約5万1000人の従業員を擁し、年間収益は約96億USドルに達します。そのうち80%は海外市場からの収入で、世界中には180万基のエレベーターと11万5000基のエスカレーターが稼働しています。

歴史的な背景

オーチス社はその歴史を1852年に遡ります。この年、エリシャ・オーチスはエレベーターの落下防止装置を発明し、翌年には自身の工場を設立しました。1854年のニューヨーク万国博覧会でのデモンストレーションは、彼の技術を世に知らしめる重要な瞬間でした。その後、1857年には初めての乗用エレベーターを小売店に設置するなど、急速に市場に展開しました。

時間が経つにつれ、国内外でのエレベーター販売は順調に進み、1862年にはカナダに初めてエレベーターを輸出するという国際展開も果たしました。1890年にはパリ万国博覧会でエスカレーターを発表し、1903年にはギアレス駆動の電気エレベーターも登場します。1924年には、初の押しボタンによる自動制御エレベーターを発表し、技術革新を続けました。

世界をリードする地位

オーチスのエレベーターは、エッフェル塔、自由の女神、エンパイア・ステート・ビル、国連本部事務局ビルなどの名建築にも設置されており、その信頼性と技術は世界中で高く評価されています。また、エスカレーターは以前は同社の登録商標でありましたが、現在はその商標権を放棄しています。さらに、空母の艦載機用エレベーターの製造も手がけており、その多様な製品ラインは業界トップクラスを誇っています。

現在と展望

2020年に独立を果たしたオーチスは、従来の強みを活かしながら新たな市場開拓に注力しています。ドイツ、チェコ、フランス、スペイン、メキシコ、日本、中国、ブラジルなど、世界各国に工場を持ち、グローバルな生産体制を敷いています。これにより、顧客の多様なニーズに応え、高品質な製品を提供し続けています。エレベーターやエスカレーターの進化は今後も続き、私たちの生活に欠かせない存在として重要な役割を果たすでしょう。

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