オートクレール

オートクレール（フランス語: Hauteclaire）は、「高く清らか」あるいは「いとも清き」を意味する名を冠した剣です。これは、フランスの古い物語群「シャルルマーニュ伝説」に登場する十二勇士（パラディン）の一人、オリヴィエが手にする名剣です。主に11世紀の武勲詩『ロランの歌』をはじめ、多くの作品でその姿を見ることができます。

『ロランの歌』における描写

盟友ロランのデュランダルと並び称されるオートクレールは、『ロランの歌』ではオリヴィエが振るう剣として描かれています。この詩によれば、オートクレールは金の鍔（つば）と水晶の柄（つか）で装飾された、非常に美しい剣でした。

『ジラール・ド・ヴィエンヌ』における来歴

12世紀末に成立した武勲詩『ジラール・ド・ヴィエンヌ』では、オリヴィエがオートクレールをどのように手に入れたのか、その詳細な物語が語られています。ヴィエンヌ男爵ジラールとシャルル大帝の間で争いが起こり、両者の対立は都市ヴィエンヌを巡る攻城戦へと発展します。この戦いの決着をつけるため、それぞれの陣営の代表として、シャルル大帝の甥ロランとジラールの甥であるオリヴィエが一対一の決闘に臨むことになりました。

壮麗な装束で身を固め、試合が始まりますが、激しい戦いの最中、オリヴィエの剣は折れてしまいます。彼は決闘を一時中断し、代わりとなる剣をヴィエンヌの領内で探します。そこで、ヨアヒムという名のユダヤ人が、彼に一本の名剣を差し出しました。この剣こそがオートクレールであり、実はオリヴィエの祖先、ブーヴ公爵などを含むモングラーヌ家の家宝とも言える剣だったのです。

この剣はかつて、優れた鍛冶師ミュニフィカンによって鍛えられ、ローマ皇帝クロザモンの命によって作られたとされています。しかし、その剣は一度失われ、その後、大鎌を使う農夫によって発見され、教皇の宝物庫に保管されていました。時の国王ピピン（シャルルマーニュの父）がそれを奪い、自身の戴冠式で佩（は）き、後にブーヴォン公爵に下賜され、最終的にユダヤ人が買い取ってヴィエンヌに伝えられたという、複雑な来歴を持っていました。オリヴィエはこうして、先祖伝来の名剣を取り戻したのです。

異伝と別名

オートクレールの物語は、地域や作品によって多様な形で語り継がれました。特にイタリア語圏の作品では、アルタキアラ（Altachiara）やアルタキエラ（Altachiera）という名で呼ばれることが多く、フランス語名の意訳と考えられています。イタリアでの伝承では、この剣はオリヴィエの祖先である英雄ブオヴォ・ダントーナがかつて所有していた、いわば「伝家の宝刀」であると強調されます。

さらに、14世紀末のイタリア語散文作品、アンドレア・ダ・バルベリーノの『アスプラモンテ』などによれば、オートクレールには過去に別の名前があったとされています。円卓の騎士ランスロット・ダル・ラーゴ（Lanzilotto dal Lago）が所有していた頃はガスティガ＝フォッリ（Gastiga-folli）、これは「愚者への懲らしめ」を意味する名でした。また、ブオヴォ・ダントーナの時代にはキアレンツァ（Chiarenza）またはクラレンツァ（Clarença）と呼ばれており、「清澄さ」や「輝き」を意味すると考えられています。アンドレア・ダ・バルベリーノの別の著作『フランス王家』でも、キアレンツァとして言及されています。

ボイアルドによる15世紀末の叙事詩『恋するオルランド』でも、アルタキアラとしてオリヴィエの剣が登場します。また、15世紀イタリア語の『円卓物語』では、シャルルマーニュが円卓の騎士の剣を発見し、後世に受け継がれるエピソードの中で、ランスロットの剣（アルタクレラと呼ばれる）をオリヴィエが受け継いだという形で語られています。ドイツ語圏の作品ではアルテクレーレ（Alteclere）という名で見られます。

他の武勲詩での言及

『ジラール・ド・ヴィエンヌ』と同時代の武勲詩『フィエラブラ』では、オートクレールはシャルル大帝の剣ジョワイユーズやロランの剣デュランダルといった伝説的な名剣と同じ鍛冶師の一族によって鍛えられたとされており、その卓越した品質が強調されています。一方、14世紀末の武勲詩『サラゴサのローラン』では、この剣はタリヤプリーマ（Talhaprima）、すなわち「最初に切りかかる」という意味の別の名前で呼ばれています。

ヴィクトル・ユーゴーによる翻案

著名な作家ヴィクトル・ユーゴーは、自身の作品『諸世紀の伝説』に収められた『ローランの結婚』において、『ジラール・ド・ヴィエンヌ』を翻案しましたが、この中でオートクレールの名を誤って「クロザモン」としてしまいました。これは、彼が参照した散文訳における間違いを引き継いだと考えられています。

まとめ

このように、オートクレールはオリヴィエの象徴的な武器として、シャルルマーニュ伝説とその派生作品において重要な役割を果たしています。その美しさ、複雑な来歴、そして多様な別名は、この剣が物語の世界でいかに豊かな想像力をかき立ててきたかを示しています。

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