オープンアクセス学術出版社協会

オープンアクセス学術出版協会（OASPA）

オープンアクセス学術出版協会（OASPA）は、オープンアクセスおよびその一形態であるゴールドオープンアクセスを推進することを目的とした業界団体です。OASPAは、様々な分野で活動するオープンアクセス出版社、学会、大学系の独立系出版社やハイブリッド型の出版社と連携しながら、出版のベストプラクティスを設定し、その実現を目指しています。設立当初は主にオープンアクセスジャーナルに焦点を当てていましたが、現在では書籍のオープンアクセス出版にもその活動を広げています。

役割

OASPAの主な役割は、全球規模でのオープンアクセス出版社の権利を支援し、一般の人々にゴールドオープンアクセスの重要性を訴えることです。学術界においてオープンアクセスの出版方法に関連する問題を議論するためのフォーラムを提供し、標準化の活動、アウトリーチ、識別に関与しています。さらに、オープンアクセスによる学術的なコミュニケーションのベストプラクティスを積極的に推進し、新たなビジネスモデルや出版モデルの発展を支援しています。

歴史

オープンアクセス運動の高まりと共に、OASPAは重要な役割を果たす団体として認識されるようになりました。出版社間のコラボレーションが進展し、多くの取引や科学会議、ワークショップなどを通じて相互作用が深まっていきました。従来の出版スタイルとオープンアクセス出版の間には依然として違いが存在し、そのため専門的な議論の場が必要であるとの認識が広がりました。OASPAは2008年10月14日にロンドンで行われたウェルカム・トラストのオープンアクセスデーのイベントで正式に設立されました。

創設時メンバー

OASPAの設立時のメンバーには、オープンアクセス出版に興味を持つ多くの団体や個人が含まれており、彼らは共同でオープンアクセスの実現に向けた活動を進めてきました。

活動

OASPAは、毎年、オープンアクセス学術出版に特化した「Conference on Open Access Scholarly Publishing」を開催しています。このカンファレンスでは、ビジネスモデルや出版プラットフォーム、査読方法に至るまで、オープンアクセス出版に関するさまざまなトピックが議論されます。さらに、参加する出版社にはクリエイティブ・コモンズ・ライセンス、特にCC-BYライセンスの使用を推奨しており、これはオープンナレッジ財団が打ち出している「オープン」の定義とも広く一致しています。OASPAはノーベル賞を受賞した著作物のオープンアクセス化にも致力しています。

会員種別

OASPAには、以下の4種類の会員があります：

• - オープンアクセス専門出版団体
• - オープンアクセス科学者・学者出版社
• - 他の団体
• - 準会員（投票権なし）

批判

一方で、OASPAには「オープンアクセス出版のための品質のしるし」といった自己宣言型の役割に関する批判も存在します。外部からは、OASPAが独自の基準を設けている可能性が指摘されており、現在進行中のグリーンオープンアクセスとゴールドオープンアクセスの優劣に関する議論の中で、OASPAはゴールドオープンアクセスを優先するあまり、グリーンオープンアクセスをないがしろにしているとの非難も寄せられています。

関連項目

OASPAに関連する組織としては、学会・専門協会出版社協会、国際科学技術医学出版社協会、国際出版連合などが挙げられます。

外部リンク

• - 公式ウェブサイト
• - Conference on Open Access Scholarly Publishingの記録ビデオ（2009/2010/2011）

この内容には、Creative Commons Attribution-ShareAlike 3.0 Unported Licenseのもと、Citizendiumの「Open Access Scholarly Publishers Association」に基づく情報が含まれています。

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