オール (紋章学)

オール (紋章学)

オール（英: Orle、仏: Orle）は、紋章学において、シールド（盾）またはフィールドの縁に沿って、フィールドを囲むように配置されるチャージ（図形要素）です。これは、オーディナリー（主要な紋章要素）の中でもサブオーディナリーに分類されます。

解説

語源

「オール」という単語は、俗ラテン語の ōrulus に由来し、中期フランス語で「縁」または「端」を意味する言葉を経て、16世紀後半ごろに英語に取り入れられました。

オールの幅

オールの幅は、しばしばボーデュア（盾の縁を囲むチャージ）の約半分程度とされます。ボーデュアの幅がシールドの約6分の1程度であることから、オールは約12分の1程度の幅になります。しかし、実際にはこれよりも細く描かれることも多く、紋章のマーシャリング（複数の紋章を組み合わせること）が進むと、ほとんど線のように見えるほど細く描かれることがあります。

紛らわしい例

紋章の図案だけを見ると、オールと見間違えてしまう紛らわしい例があります。例えば、エスカッシャン（盾の中に配置された小さな盾）にボーデュアが配置され、さらにその中にインエスカッシャン（内側の小さな盾）が配置された場合です。見た目はオールのように見えるかもしれませんが、紋章は図案ではなく、紋章記述（ブレイゾン）によって定義されるため、注意が必要です。

オールに関する用語

イン・オール (in orle)

エスカッシャンの縁に沿って、複数のチャージをオールを配置する位置に等間隔に並べることを「イン・オール」と呼びます。しかし、実際にはボーデュアが置かれる位置に近いため、やや紛らわしい場合があります。イン・オールのようにボーデュアの上にチャージを重ねる「ボーデュア・セミー」は、ボーデュアがなくても成り立つイン・オールとは区別されます。なお、「イン・オール」が正しい記述ですが、「an orle of (charge name)」という記述もよく見られます。

脚注

コウブチ紋章資料館
紋章学総合サイト
中世ヨーロッパの風景 「紋章について」
Dragon's Lair「ヨーロッパ紋章学」

関連項目

オーディナリー (紋章学)
紋章学
* 紋章

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