オールスターびっくり新年会

『オールスターびっくり新年会』は、フジテレビ系列で正月の特別番組として放送されたユニークな企画です。1974年から1978年にかけての第1期と、1981年から1986年にかけての第2期に分かれ、中断期間を挟んで通算11回放送されました。

番組概要

この番組の舞台は、夜店のような装飾が施された広々としたスタジオでした。毎回100名ほどの芸能人がゲストとして招かれ、一般的なバラエティ番組とは一線を画す、非常に自由なスタイルで進行しました。台本やシナリオは一切なく、参加者はスタジオ内で自由に飲食したり、他のゲストと歓談したり、あるいはその場で催される様々なゲームに参加したりと、文字通り「びっくり新年会」を楽しむような雰囲気でした。収録中も、芸能人たちは好きな時にスタジオに出入りすることが可能で、この「自由気ままさ」こそが、この番組の最大の特徴であり、他の正月特番にはない魅力となっていました。

放送期間と変遷

番組は1974年 1月8日にスタートし、最初の5年間（1978年まで）は、当時の人気枠であった『火曜ワイドスペシャル』内で放送されていました。その後、一時的に放送が中断されますが、3年のブランクを経て1981年 1月2日に再開されます。再開後の第2期は、1986年まで6年間続き、通算11回の放送を数えました。ただし、第2期は第1期とは異なり、ゴールデンタイム以外の時間帯で放送されることが多くなりました。

司会進行

番組では司会者を「幹事」と呼んでいました。第1期では、人気お笑いコンビ、コント55号（萩本欽一氏と坂上二郎氏）が幹事を務めました。第2期で再開された際には、坂上二郎氏は引き続き幹事を担当しましたが、萩本欽一氏に代わって俳優の藤村俊二氏が新たに幹事として加わりました。番組全体の進行状況を伝えるナレーションは、フジテレビの局アナウンサーが担当していました。

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番組を支えたスポンサー体制も、放送期間中に変化が見られました。第1期は、『火曜ワイドスペシャル』の他の企画と同様に、複数の企業が共同で提供していました。しかし、第2期からは、ライオングループが単独で番組の提供を行うようになりました。

番組演出

番組のオープニングキャッチは、後に日本テレビ系列の人気番組『全国高等学校クイズ選手権』で使用される30秒バージョンのものと同じものが使われていました。また、単独提供となった第2期には、ライオン製品の生コマーシャルが番組内で実施されました。この生CMには、番組に参加している芸能人が出演し、製品を紹介することもあり、アットホームな雰囲気を醸し出していました。

主なゲーム

番組の盛り上がりを演出する要素の一つが、参加者が楽しむ様々なゲームコーナーでした。これらも一般的なゲーム番組のような形式ばったものではなく、宴会での余興や座敷遊びに近い、ゆるやかなルールで行われました。主なゲームとして以下のようなものがありました。

おちゃらか: 男女ペアで行う、童謡「おちゃらかホイ」に合わせて手遊びをするシンプルなゲームです。
ひょっとこリレー: 5名程度の参加者が一列に並び、鉛筆を鼻と上唇の間に挟んで、次の人に受け渡していくリレー形式のゲームです。滑稽な姿になることから、出演者や視聴者の笑いを誘いました。
ひっかけジェスチャー: 一見すると通常のジェスチャーゲームに見えますが、実は巧妙なドッキリ企画でした。ゲームに参加するよう促された特定の芸能人1名だけが、実際には答えを知っている他の参加者たちに向かってジェスチャーをします。しかし、他の参加者は答えを知っているにも関わらず、知らないふりをしながら回答をせずに時間いっぱいまでジェスチャーを続けさせるという、仕掛けられた側にとっては少し意地悪ながらもユーモラスな展開が待っていました。
片道電話: 電話を用いたゲームです。参加者は、自宅にいる家族（多くは配偶者）に電話をかけ、会話の中で決められたキーワードを自然な流れで言わせることができれば賞品を獲得できます。ただし、電話をかけている参加者自身は、決められた言葉以外を発してはいけないというルールがあり、これを破ると失格となる緊張感のあるゲームでした。
ヘルコンジャンケン: 番組のクライマックス近くで行われる、最もダイナミックなゲームでした。このゲームが始まる際には、スタジオにいるほぼ全ての参加者がゲーム会場の前に集まり、その中から幹事が挑戦者を選びます。ゲームの内容は、いわゆる「たたいて・かぶって・ジャンケンポン」です。じゃんけんに勝った側は、相手の頭をピコピコハンマーで叩きにかかります。負けた側は素早く頭にヘルメットを被って防御します。ヘルメットで防御できずに叩かれてしまったらその挑戦者は負けとなります。特に、ストロング金剛氏のような力自慢の出演者が挑戦者として登場した際には、他の参加者たちは安全な場所から見守るなど、ハプニング性も伴う盛り上がりを見せました。

番組の締めくくり

ヘルコンジャンケンなどのゲームが終了した後、参加者全員に記念品として福袋が手渡され、和やかな雰囲気の中で番組はお開きとなりました。

オールスターびっくり新年会