藤村俊二

藤村俊二

藤村俊二（ふじむら しゅんじ）は、1934年12月8日に生まれ、2017年1月25日にこの世を去った日本の俳優、声優、タレント、振付師、そして実業家です。神奈川県鎌倉市で育ち、愛称は「おヒョイ（さん）」で知られています。彼は俳優事務所である有限会社O’hyoi & Sons（オヒョイアンドサンズ）に所属し、多彩な活動を展開しました。

生い立ちと教育

藤村の家庭背景は、実父がスバル興業の社長であり、非常に厳格な父とおおらかな母のもとで成長しました。小学校から高等学校まで、暁星学園で学んだ後、演出家を目指して早稲田大学第一文学部演劇学科に入学しました。しかし、理論中心の教育に物足りなさを覚え、中退しました。その後は、東宝芸能学校舞踊科に進学し、第一期生として卒業しました。

芸能界での活躍

藤村は1960年に日劇ダンシングチームの12期生として渡欧し、西洋の舞踊の水準に衝撃を受けたことがきっかけで、舞踊家の道を諦めました。日本に戻ると振付師としてのキャリアをスタートさせ、ザ・ドリフターズの人気バラエティ番組『8時だョ! 全員集合』やレナウンのCMなど、数多くの振り付けを手がけました。この番組では、ギャグアドバイザーとしても活動し、「ヒゲダンス」の振付を担当したとされるが、藤村自身は他の振り付けを行ったと主張しています。

また、彼が代表を務めていた「オフィス・オヒョイ」は、黒澤久雄や岡崎友紀らを抱える一流の事務所でしたが、2011年に解散しました。以降、彼はNHKの『ぶらり途中下車の旅』のナレーションを担当しましたが、2015年に体調を理由に降板しました。

晩年と健康問題

晩年の藤村は2015年12月に妻がメディアでのインタビューで彼の健康状態について言及したことで注目を浴びました。彼は体調不良を抱えてもなお、仕事を続け、血管の状態が悪化したため通院をしていたことが明らかになりました。2017年1月25日、彼は心不全のため静岡県の病院で82歳で亡くなりました。藤村の死去は多くのファンに衝撃を与え、彼の長男は父の生き様を称賛しました。

特徴と芸風

藤村俊二は、これまで長い間細身のアフロヘアがトレードマークでしたが、56歳の時に胃癌を患い、胃の全摘術を受けたことが彼の容姿に大きな影響を及ぼしました。その後は白髪に口ひげのスタイルが特に目立つようになりました。彼の芸風は、柔らかいキャラクターと、自虐的な冗談が特徴で、バラエティ番組で特に人気を得ました。タレント活動をあまり好まず、「アクター（俳優）」としての自認を貫き続けました。

彼の印象

特に、藤村は「執事役が似合う」として若い世代にも影響を与えた存在でした。漫画『黒執事』のキャラクター・タナカは藤村をモデルにしており、アニメ化の際には彼自身が声優として出演しました。彼の死後、作品の作者からは追悼の言葉が寄せられました。藤村は、自己の職業観からこだわりを持つ一方、多くの人との交流を大切にし、親しい仲間との団体「昭和九年会」を結成しました。

多才な業績に加え、南青山に自身のバー「O'hyoi's」を経営し、実際に現場で経営に携わる姿勢を貫いたことで、彼の人柄や業界内の評価も高かったです。藤村俊二の人生は、数え切れないほどの影響を残し、多くのファンに愛され続ける存在として語り継がれています。

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