オー・エイチ・ティー

オー・エイチ・ティー株式会社（OHT Inc.）

オー・エイチ・ティー株式会社は広島県福山市に本社を構え、プリント基板や液晶ディスプレイ用の基板検査装置を製造している企業です。特に、静電誘導を利用した非接触式電気通電検査装置の開発に成功し、業界に革新をもたらしました。この技術は微細な配線を正確に測定でき、基板や部品へのダメージを最小限に抑える利点があります。その結果、検査時間の短縮やコスト削減が実現されたのです。

市場では「当社の検査装置で検査された薄型パネルが流通している」との公表もあり、同社の技術力が広く認められています。

沿革

オー・エイチ・ティーの歴史は1994年6月に始まります。当初はオカノ電機株式会社から営業権を取得し、オカノハイテック株式会社として設立されました。 1996年に福山市神辺町に本社を移転し、1998年に現在の社名に変更しています。

2000年以降の数年間で、子会社を設立したり、海外進出を果たしたりと、急成長を遂げます。特に2004年には、非接触式の「ハーネステスター」や大型LCD向けの検査装置の製造・販売を開始し、製品ラインを広げていきました。

その後も業績は好調で、2003年には創業・ベンチャー国民フォーラムから中小企業庁長官賞を受賞し、同年に東証マザーズに上場しました。しかし、2007年には株価が異常な値動きを示し、一気に暴落。証券会社が多額の損失を抱える事態となりました。この事件は「OHT株の株価操縦事件」として知られ、その背後には弁護士が関与していたことが明らかになっています。

この事件は、偽名を使った信用取引や不正な株価操作によって引き起こされ、業界に大きな衝撃を与えました。2009年には、連続する財務問題から証券取引所からの上場廃止が決定されました。

粉飾決算問題

さらに、2003年度から2007年度にかけて有価証券報告書に虚偽の記載があることが判明し、決算の訂正が必要となりました。この粉飾決算により、再度上場廃止の決定を受けることとなったのです。

現在の状況

現在、オー・エイチ・ティーはブイ・テクノロジーの完全子会社となっており、経営体制の見直しを図っています。過去の事件からも学び、企業の信頼回復と技術革新を目指し、持続的な成長を追求しています。

オー・エイチ・ティーは、その特異性と挑戦を続ける企業として、今後の展開に期待が寄せられています。

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