カウンティング・クロウズ

カウンティング・クロウズ (Counting Crows) の軌跡

1991年、カリフォルニア州サンフランシスコでアダム・デュリッツとデヴィッド・ブライソンによって結成されたカウンティング・クロウズは、アコースティックデュオとしてそのキャリアをスタートさせました。当初はバークレーやサンフランシスコ周辺でギグを行い、次第に友人であるデヴィッド・イマーグルックなどのミュージシャンが参加するようになり、フルバンドへと移行しました。

バンド結成から初期の活動

1993年には、アダム・デュリッツ（ボーカル、ピアノ、ソングライター）、デヴィッド・ブライソン（ギター）、マット・マリー（ベース）、チャールス・ギリングハム（キーボード）、スティーヴ・ボウマン（ドラムス）という固定メンバーとなり、ゲフィン・[[レコード]]との契約を結びました。同年、ロックの殿堂セレモニーでは、ヴァン・モリソンの代役としてパフォーマンスを行い、ロビー・ロバートソンから熱心に紹介されました。このセレモニーでは、彼らはヴァン・モリソンの「キャラバン」を演奏しました。

デビューアルバム『オーガスト・アンド・エヴリシング・アフター』の大成功

1993年後半にリリースされたデビューアルバム『オーガスト・アンド・エヴリシング・アフター』は、T・ボーン・バーネットがプロデュースを担当しました。リードシングル「ミスター・ジョーンズ」は、デュリッツの友人たちをモデルにした楽曲で、彼らの音楽家としての成功への夢を描いたものです。MTVがこの曲のビデオを放映し始めると、予想外の大ヒットとなり、アルバムはニルヴァーナの『ネヴァーマインド』以来の最速で売れるという記録を打ち立てました。しかし、この大成功はバンドに大きな影響を与え、ドラマーのスティーヴ・ボウマンが脱退、デュリッツ自身も神経衰弱に陥るなど、困難な時期を迎えることになります。

『リカヴァリング・ザ・サテライツ』と『ディス・デザート・ライフ』

1995年はギグを2回のみに抑え、デュリッツはセカンドアルバムの制作に専念しました。1996年に発表された『リカヴァリング・ザ・サテライツ』には、セカンドギタリストのダン・ヴィッカリーが加わり、突然の成功に対する不安や、それによって失われた心の平穏を取り戻そうとする心情が込められています。1997年には、デュリッツが声帯を痛めて休養を余儀なくされましたが、その後復活し、ニューヨークでのライブがアルバムとしてリリースされました。

1999年には、ウッドストック1999に出演し、アルバム『ディス・デザート・ライフ』を発表しました。このアルバムからは「Hanginaround」と「Colorblind」が映画『クルーエル・インテンションズ』に使用されました。アルバム発表後、長年の友人であるデヴィッド・イマーグルックが正式メンバーとして加入しました。

『ハード・キャンディ』とベストアルバム

2002年には、4枚目のスタジオアルバム『ハード・キャンディ』をリリース。このアルバムには、ジョニ・ミッチェルのカバー「Big Yellow Taxi」が収録され、ヴァネッサ・カールトンがバックボーカルで参加しました。このアルバムのツアー中にドラマーのベン・マイズが脱退し、ジム・ボギオスが後任となりました。また、ツアー後にはベーシストのマット・マリーが脱退し、ミラード・パワーズが加入しました。2003年には、ベストアルバム『Films About Ghosts (The best of...)』がリリースされました。

2004年には、アニメーション映画『シュレック2』のサウンドトラックに楽曲「Accidentally in Love」を提供し、アカデミー賞にノミネートされました。

2006年以降の活動

2006年には、ライブアルバム『New Amsterdam: Live At Heineken Music Hall 2003』をリリース。2008年にはスタジオアルバム『Saturday Night, Sunday Morning』を発表しました。2009年には、ゲフィン・[[レコード]]から独立し、バンドは新たな道を歩み始めました。

現在のメンバー

• - アダム・デュリッツ (Adam Duritz) - ボーカル、ピアノ (1991年-現在)
• - デヴィッド・ブライソン (David Bryson) - ギター (1991年-現在)
• - チャールス・ギリングハム (Charles Gillingham) - キーボード、アコーディオン (1992年-現在)
• - ダン・ヴィッカリー (Dan Vickrey) - ギター (1994-現在)
• - デヴィッド・イマーグルック (David Immerglück) - ギター、マンドリン他 (1999年-現在)
• - ジム・ボギオス (Jim Bogios) - ドラムス (2002年-現在)
• - ミラード・パワーズ (Millard Powers) - ベース、ピアノ (2005年-現在)

旧メンバー

• - スティーヴ・ボウマン (Steve Bowman) - ドラムス (1992年-1994年)
• - ベン・マイズ (Ben Mize) - ドラムス (1994年-2002年)
• - マット・マリー (Matt Malley) - ベース (1992年-2005年)

ディスコグラフィ

スタジオアルバム

(アルバムリストは省略)

ライブアルバム

• - 『アクロス・ア・ワイアー - ライヴ・イン・ニューヨーク』 - Across A Wire: Live In New York City (1998年)
• - New Amsterdam: Live At Heineken Music Hall 2003 (2006年)
• - iTunes Live from SoHo (2008年)
• - 『オーガスト・アンド・エヴリシング・アフター - ライヴ・アット・タウン・ホール』 - August and Everything After: Live at Town Hall (2011年)
• - Echoes of the Outlaw Roadshow (2013年)

コンピレーションアルバム

• - Films About Ghosts (The Best Of...) (2003年)
• - Aural 6 (2008年)

その他

• - 映画『ラウンダーズ』(1998年) サントラ未収録曲「Baby, I'm A Big Star Now」を提供。
• - 映画『シュレック2』(2004年) 「Accidentally In Love」がサントラに収録。

カウンティング・クロウズは、その音楽性、アダム・デュリッツの独特なボーカル、そして楽曲に込められた日常的な感情が、長年にわたり多くのファンを魅了し続けています。

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