カサブランカ・レコード

カサブランカ・レコードの概要

カサブランカ・レコード（Casablanca Records）は、1973年に設立されたアメリカの音楽レーベルです。このレーベルは、ニール・ボガートとその仲間たちによって設立され、その後の数十年にわたり多くのヒットアーティストを輩出しました。設立当初はワーナー・ブラザース・レコードからの出資を受けていましたが、数年後には独立し、自らの道を歩み始めました。

設立の背景と初期の活動

カサブランカ・レコードの設立者であるニール・ボガートは、ビクター音楽産業を通じて音楽ビジネスに足を踏み入れました。その後、彼はワーナーの支援を受けながら新レーベルの設立を決意し、映画『カサブランカ』のタイトルを冠することにしました。この選択には、自身の名前に由来するプレゼンスの強化も考慮されていました。

設立当初、カサブランカはビル・エイムズベリーのシングル「Virginia (Touch Me Like You Do)」をリリースしました。この曲はレーベルの初めてのリリースとなり、その後ハードロックバンドのキッスとの契約が重要な転換点となりました。キッスによるアルバムが大ヒットし、カサブランカはその勢いをもって音楽シーンに名を刻むことになります。

ヒットアーティストの誕生

1970年代中盤から後半にかけて、カサブランカ・レコードは多くの名アーティストの作品をリリースしました。特に、ドナ・サマーやシェール、パーラメントといったアーティストは、ディスコブームの中で多くのファンを獲得し、レーベルを代表する重要な存在となりました。しかし、1974年に行ったプロモーションが失敗したため、経営が危機に陥ったこともあります。

その後、ドナ・サマーのヒット曲によりレーベルは再生し、のちに進出した映画製作部門「カサブランカ・フィルムワークス」も成功を収めました。映画『ミッドナイト・エクスプレス』などの作品がヒットし、音楽と映画の双方で名声を得ました。

レーベルの崩壊と再生

1980年代には、内部の紛争やボガートの解雇、不正会計問題が影響し、カサブランカは次第に衰退していきます。特に、キッスの活動が停滞したこともレーベル全体にネガティブな影響を与えました。1986年には全アーティストの契約をマーキュリー・レコードに譲渡し、カサブランカの時代は一旦終了しました。

再登場と現状

2000年、ユニバーサル・ミュージックとの合弁事業によりカサブランカ・レコードは新たに設立され、ミーカやライアン・レスリーなどの新アーティストをはじめとする活動を再開しました。ただし、過去のカサブランカとは直接の関係は存在しません。

現在もカサブランカは音楽業界において重要な役割を果たしており、新たなアーティストの探索と育成に力を入れています。また、かつては名を馳せた数多くのアーティストたちが今も変わらぬ影響力を持っています。カサブランカの歴史は、音楽の進化と共に歩んできたことを示しています。

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