カステリョン県

カステリョン県は、スペイン・バレンシア州に属する県で、その名称はスペイン語では「Castellón」、カタルーニャ語では「Castelló」と表記されます。両名称は公式であり、公的文書では「Castelló/Castellón」と併記されることもあります。日本語では「カステジョン」と表記されることもあります。

地理

県都はカステリョン・デ・ラ・プラナであり、県人口の約60%がこの都市圏に、85%が地中海沿岸部に集中しています。2012年の人口は604,564人でした。県内には135の基礎自治体が存在し、県都の他には、ヴィラ＝レアル、ボリアナ/ブリアナ、ラ・ヴァイ・ドゥイショー、ヴィナロスなどが主要な自治体として挙げられます。

カステリョン県は、南はバレンシア県、西はアラゴン州テルエル県、北はカタルーニャ州タラゴナ県と隣接し、東は地中海に面しています。県西部にはイベリコ山系が広がり、沖合49kmにはコルンブレテス諸島があります。この諸島はカステリョン・デ・ラ・プラナの自治体域に属します。

郡

歴史的に、カステリョン県は以下の8つのコマルカ（郡）に分かれています。

アルト・マエストラット郡
アルト・パランシア郡
バジョ・マエストラット郡
プラナ・アルタ郡
プラナ・バハ郡
アルカラテン郡
ロス・プエブロス郡
アビタシオン・デ・ヌンカス郡

自治体

カステリョン県には、多くの自治体が存在しています。人口規模は様々ですが、各自治体が地域経済や文化に重要な役割を果たしています。

歴史

1833年のスペイン地方行政区分再編において、カステリョン県はスペイン全土に設置された49の県の一つとして誕生しました。県都はカステリョン・デ・ラ・プラナと定められました。

1939年から1975年のフランコ独裁体制を経て、1970年代末から1980年代初頭にかけてスペインは民主化へと移行し、全国に17の自治州が設置されました。1982年7月10日、カステリョン県は他の7県と共にバレンシア州を形成しました。

経済

カステリョン県の経済は、農業と工業の両輪で成り立っています。農業においては、特にヌレスやベニカルロを中心に、柑橘類や野菜の生産が盛んです。

17世紀から続くセラミック産業とタイル産業は、この地域の経済を支える重要な柱であり、スペインにおけるタイル製造業者の大半がカステリョン県に集中しています。セラミック産業の中心地は、オンダ、ラルコラ、ヌレス、カステリョン・デ・ラ・プラナ、ヴィラ＝レアルなどです。ヴィラ＝レアルには、スペインの企業上位500社に入るセラミック関連企業が4社も所在します。

その他にも、ベニカルロやヴィナロスでは家具製造、ベニカルロやカステリョン・デ・ラ・プラナでは化学工業が行われています。ラ・ヴァイ・ドゥイショーでは靴製造業、カステリョン・デ・ラ・プラナやヴィナロスでは漁業、ヴィラフランカやモレーリャでは織物業が盛んです。

文化

カステリョン県北部にあるビラノバ・ダルコレアとベンリョックには、カステリョン＝コスタ・アサアール空港が存在しますが、2011年の開港宣言後も2015年まで定期便が就航していませんでした。この空港は、2008年からのスペイン金融危機以前の無駄な支出や政治腐敗の象徴と見なされることがあります。

カステリョン県を含むバレンシア州では、スペイン語とバレンシア語の二言語が公用語として使用されています。

サッカークラブとしては、ヴィラ＝レアルに本拠地を置くビジャレアルCFや、カステリョン・デ・ラ・プラナに本拠地を置くCDカステリョンが有名です。また、フットサルクラブとしては、カステリョン・デ・ラ・プラナに本拠地を置くプラジャス・デ・カステリョンFSやペニスコラに本拠地を置くペニスコラFSがあります。

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