カステリョン＝コスタ・アサアール空港

カステリョン＝コスタ・アサアール空港：経済危機の象徴から再生へ

カステリョン＝コスタ・アサアール空港（CDT）は、スペイン・バレンシア州カステリョン県に位置する民間空港です。カステリョン・デ・ラ・プラナの北約30kmに位置し、美しい地中海沿岸「コスタ・デル・アサアール」にちなんで命名されました。

歴史

2011年3月に公式に開港したものの、当初は就航便が全くない状態が長く続きました。開港後4年半を経た2015年9月、ようやく初の旅客機が離着陸するという異例の事態となりました。

建設費は1億5,000万ユーロ。しかし、地元政府の操業認可の遅れや就航便の不在が重なり、開港から1年間は全く利用されないという状況でした。2012年には初の就航便が予定されたものの、実現には至りませんでした。

経済危機の象徴

ニューヨーク・タイムズは、この空港を「スペイン経済危機における無駄な支出の象徴」と批判しました。背景には、空港建設を推進した地元政治家カルロス・ファブラの存在があります。彼は汚職疑惑で辞任しており、空港敷地内には彼の象徴ともされる巨大なモニュメントが建設されました。もっともこのモニュメント自体も建設から数年で錆び付き、その維持が問題視されています。

巨額の公的資金が、空港の広告宣伝のために地元のスポーツチームに提供されていた事実も発覚しています。

転機と現状

2014年12月、ライアンエアーが定期便就航の準備を進めていると報じられ、事態は好転します。2015年1月には、地元サッカーチームのチャーター便が初めて空港から出発。同年9月には、ライアンエアーによるロンドン・スタンステッド空港便の運航が開始されました。

現在、空港は2,700mの滑走路1本を有し、国内外の定期便・チャーター便に対応しています。

今後の展望

カステリョン＝コスタ・アサアール空港は、長らく「幽霊空港」と呼ばれていましたが、ライアンエアーの就航を機に、徐々に利用客が増加しています。バレンシアとカステリョンを結ぶ高速鉄道の開通により、アクセスも向上することが期待されています。

今後は、さらなる路線の拡充や施設の改善を通じて、地域経済の活性化に貢献することが期待されています。

まとめ

カステリョン＝コスタ・アサアール空港は、経済危機の負の遺産として批判を浴びましたが、近年は再生の兆しを見せています。今後の発展に注目が集まっています。

参考文献
Fabra, María (2012年2月14日). “Airstrip at Castellón's plane-free airport needs to be widened”. エル・パイス.
Fiona, Govan (2012年2月15日). “Spanish 'ghost' airport's unused runway to be dug up”. テレグラフ.

外部リンク
* 公式ウェブサイト

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