カストディアン

カストディアンとは

カストディアン（Custodian）は、主に投資家に代わって有価証券を管理する専門機関を指します。このような機関は、しばしば受託信託銀行とも称され、特に外国の証券市場に投資を行う際にその役割が重要となります。カストディアンの主な機能は、証券の保管だけでなく、関連する様々な金融業務を通じて投資家に利便性を提供することです。

カストディアンの役割

投資家が海外の有価証券に資金を投入する際、その有価証券を本国に輸送し保管することは非常に非現実的です。輸送には費用がかかり、また時間も要するため、現地のカストディアンを利用することが一般的です。例えば、日本の投資家が国内の証券に投資する場合、日本のいくつかの受託信託銀行がカストディサービスを提供しています。

カストディアンは、有価証券の保管以外にも数多くの業務を行います。具体的には、取引の決済、配当金や元利金の受領、また株主総会における議決権の行使などがあります。これらの業務は、全て投資家の代理で行われるため、投資家は煩雑な手続きから解放され、安心して投資活動ができます。

さらに、カストディアンは、証券のレンディング、すなわち他者に貸し出す業務も行うことがあります。これにより、投資家は保有する資産を有効に活用することが可能です。

カストディの種類

カストディに関しては、主に二つの形態があります。一つは委任カストディと呼ばれるもので、寄託と準委任の混合契約に基づいています。もう一つは信託カストディで、これは明確に信託契約を締結した形態となります。これらの契約形態によって、カストディアンと投資家との関係は異なりますが、どちらも投資家の資産を守るために重要な役割を果たします。

日本におけるカストディサービス

日本国内では、日本カストディ銀行と日本マスタートラスト信託銀行という二つの主要な金融機関がカストディサービスを提供しています。これらの機関は、国内外でのカストディ業務を通じて、多くの投資家に対しリスクを軽減する助けを行っています。

世界のカストディアン

国際的にも、数多くのカストディアンが存在しており、彼らの提供するサービスはグローバルに展開されています。主要なカストディアンとして、ステート・ストリート、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン、ブラウン・ブラザーズ・ハリマン、JPモルガン、バンク・オブ・アメリカなどがあります。これらの金融機関は、それぞれ独自のサービスを持ち、世界中の投資家に信頼されています。

また、国際的な証券集中保管機関として、ユーロクリアやクリアストリームといった機関も存在します。これらの機関は、異なる証券を一元的に管理することにより、効率性を高める役割を果たしています。

まとめ

カストディアンは、投資家の証券を安全に保管し、様々な関連業務を代行することにより、高度な信頼性と便益を提供する重要な機関です。国外の証券に投資する際には、特にその役割が一層重要になります。

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