カタリーナ・フォン・ブランデンブルク

カタリーナ・フォン・ブランデンブルク：トランシルヴァニアを統べた公女の生涯

カタリーナ・フォン・ブランデンブルク（1602年 - 1644年）は、ブランデンブルク選帝侯家の公女として生まれ、その生涯は波乱に満ちたものでした。トランシルヴァニア公ベトレン・ガーボルの妻となり、夫の死後には一時的にトランシルヴァニア公国の元首の座に就きましたが、その治世は長くは続きませんでした。彼女の生涯を詳しく見ていきましょう。

生い立ちと結婚

カタリーナは、ブランデンブルク選帝侯ヨーハン・ジギスムントと、プロイセン公アルブレヒト・フリードリヒの娘アンナの間に生まれました。1626年、24歳でトランシルヴァニア公ベトレン・ガーボルと結婚。この結婚は、カタリーナにとって公妃としての満たされた生活の始まりであると同時に、夫の後継者として認められるという重要な意味を持っていました。

トランシルヴァニア公国の元首として

1629年に夫が亡くなると、カタリーナはトランシルヴァニア公国の元首の地位を引き継ぎました。このことは、宗主国であるオスマン帝国からも承認されていました。しかし、元首としての彼女の振る舞いは、多くの問題を抱えていました。プロテスタント勢力の強い公国内でカトリック教会を支援したり、寵愛する貴族を後継者に指名しようとしたりしたため、貴族たちの反発を招きました。また、トランシルヴァニアを神聖ローマ皇帝の影響下に置こうとしたことも、反感を買う要因となりました。

失脚とその後

これらの政策や行動は、トランシルヴァニアの議会や貴族たちの不満を高め、ついには廃位へとつながりました。カタリーナは公の地位を追われ、義弟であるベトレン・イシュトヴァーンが後を継ぎましたが、彼もすぐに退けられました。その後、ラーコーツィ・ジェルジ1世が公位に就き、カタリーナが夫から譲り受けていた所領を没収し、彼女に自分の息子との養子縁組を強要しようとしました。

居城を失ったカタリーナは、セーケシュフェヘールヴァールに退去し、1633年にカトリックに改宗しました。彼女を庇護していた皇帝フェルディナント2世は、亡くなる際にカタリーナに居館の所有権を譲渡しました。

再婚と晩年

1639年、カタリーナはザクセン＝ラウエンブルク公フランツ・カールと再婚しました。これを機に、ハンガリーに所有していた資産を全て売却し、夫とともにドイツへ帰国。1644年、長姉の居城で亡くなりました。

カタリーナ・フォン・ブランデンブルクは、トランシルヴァニア公国の元首として短い期間ながらもその名を歴史に刻みました。彼女の生涯は、権力、宗教、そして政治的な駆け引きに翻弄された、一人の女性の物語として語り継がれています。

参考文献
Graf János Nepomuk Jozsef Mailáth: Geschichte der Magyaren, Band 3, G. J. Manz, 1853, S. 233 ff.
Johann Samuel Ersch: Band 48 von Allgemeine Encyclopädie der Wissenschaften und Künste, J. f. Gleditsch, 1848, S. 96

外部リンク
* http://www.guide2womenleaders.com/womeninpower/European-Queens.htm

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