カッシング (DD-797)

カッシング (USS Cushing, DD-797)

カッシングはアメリカ海軍の駆逐艦で、フレッチャー級に属します。この艦名は、米海軍の歴史に名を残すウィリアム・B・カッシングにちなみ、4代目の艦として命名されました。

艦歴

カッシングの建造は1943年5月3日、ニューヨーク州のスタテンアイランドに位置するベスレヘム・スチール社で始まりました。1943年9月30日には、カッシング中佐の娘であるキャサリン・A・カッシングによって命名・進水され、1944年1月17日に艦長L・F・ヴォーク中佐の指揮のもとで就役を果たしました。

第二次世界大戦における活動

1944年5月5日、「カッシング」はバージニア州ノーフォークを出航し、カリフォルニア州サンディエゴやハワイの真珠湾での訓練を経て、エニウェトク環礁への船団護衛任務に従事しました。その後、各種の作戦を経て、8月24日にエニウェトク環礁で第5艦隊に合流し、パラオ諸島侵攻作戦に参加しました。特にこの期間、カッシングは空母部隊の護衛を担当し、日本軍の攻撃に対抗する重要な役割を果たしました。ここでは空母部隊の活動を支え、9月17日にはアンガウル島への上陸支援も行いました。

さらに、10月24日のレイテ沖海戦では、対空砲火を駆使して日本軍機を撃墜し、戦局に影響を及ぼしました。その後も、カッシングはルソン島攻撃任務に従事し、12月には台風を乗り越え、遭難した船の乗員を救助するなど、艦としての使命を全うしました。

1945年には再び任務部隊と共に出動し、硫黄島や沖縄本島の侵攻作戦にも参加。沖縄戦では、レーダーピケット艦としての任務を遂行し、多くの日本軍機を撃墜するなど高い戦果を挙げました。これらの活動を経て、1945年8月27日に相模湾に入港し、占領任務に従事しました。

朝鮮戦争での再就役

カッシングは1951年8月17日に再就役し、ロングビーチから大西洋艦隊へ向けて出航しました。その後、北大西洋およびカリブ海での訓練を経て、韓国沖に向かい第77任務部隊に加わりました。晩にはHodo Pandoに対する艦砲射撃も行いました。この時期にカッシングは数多くの港を訪問し、その後ノーフォークに帰還しました。1954年には地中海に展開し、太平洋艦隊に転属されました。

1955年から1960年にかけては極東での任務に従事し、様々な任務を遂行しました。艦は朝鮮戦争の戦功として2個の従軍星章を受章し、その後も対潜演習や予備役兵の訓練を行う重要な任務を担いました。

ブラジル海軍での活躍

1961年7月には、カッシングはブラジル海軍に貸与され、新たに「パラナ」という艦名で就役しました。この艦は1982年2月に除籍され、その後廃棄されました。カッシングは、アメリカ海軍の誇る戦艦として、長い歴史の中で様々な任務に従事し、数多くの伝説と共にその名を刻み続けています。

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