カッダロール包囲戦 (1748年)

カッダロール包囲戦の背景と経緯

カッダロール包囲戦は、1748年6月17日にインドのカッダロールで発生した重要な戦闘で、第一次カーナティック戦争の一環として位置づけられています。この戦争は、当時のイギリスとフランスの植民地帝国がインドでの影響力を巡って争った歴史的な争いでした。

この戦闘の発端は、イギリス艦隊がマドラスを襲撃すべく出発したことにあります。その状況を受けて、フランスの指導者ジョゼフ・フランソワ・デュプレクスは、彼の部下であるベルトラン＝フランソワ・マエ・ド・ラ・ブルドンネと共にカッダロールに対する反攻を計画しました。デュプレクスは、ヨーロッパ人800人とセポイ1,000人からなる軍隊を編成し、ポンディシェリーを出発しました。

戦闘の準備

デュプレクスは、6月17日の朝にバンダポラムの山に到達し、カッダロールを奇襲する意図を持って軍を待機させました。しかし、イギリス側も聡明でした。ストリンガー・ローレンス大尉は、1748年1月にインドに到着し、イギリス東インド会社軍の指揮を執っていました。ローレンスは、カッダロールの防衛を担当するため、400人以下の軍勢を指揮してフランス軍の進行を阻止する準備を整えました。

防衛戦の開始

ローレンスは、まず駐留軍を城外に引き出し、大砲をセント・デイヴィッド砦に移動させるという策略を用いました。この対応により、フランス軍はイギリス軍がカッダロールを放棄する可能性があると誤解しました。しかし、ローレンスは真夜中になってから駐留軍と大砲を城内に戻しました。

フランス軍が攻撃を開始した際、彼らはその準備不足を露呈しました。フランスの兵士たちは攻城梯子を城壁にかけて進軍を試みましたが、イギリス軍のマスケット銃と大砲からの激しい攻撃に直面しました。このリーダーシップと戦術により、フランス軍の進軍は阻止され、混乱を招きました。

結果とその後の影響

フランス軍は、激しい攻撃により大きな損害を被り、最終的にポンディシェリーへと退却せざるを得なくなりました。この戦闘の結果、カッダロールの防衛は成功し、イギリスの影響力が再確認されました。この出来事は、第一次カーナティック戦争の中でのイギリスとフランスの対立をより深めるその後の展開に寄与することとなります。

カッダロール包囲戦は、戦術的な頭脳戦や指導者の采配が戦局に与える影響を示す貴重な事例であり、イギリスとフランスの植民地時代の戦闘の歴史に名を刻むものとなったのです。

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